ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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趨勢に媚びることで精神的気高さを証明しようとするのが日本型ルサンチマン

いつの頃からか、ネット上ではルサンチマンという単語をよく見かけるようになった。そしてそれは大抵、単なる自意識批判用のレッテルとして――つまり、イメージの悪いそれを対抗相手に貼り付け、この者の行動や主張はルサンチマンという低劣な感情ゆえのものであり、誤りである(私の方が正しい)、というように、論拠を示すこともなく理屈抜きに対抗相手の誤りを印象づけるためのお手軽ツールとして用いられていることが殆どなのではないか。

この手の相手の印象を貶めることによる反駁方法、及び自意識批判は批判として本当に下らないものだと思う。しかしそれ以前に、そもそもこの「ルサンチマン」という言葉の一般的な捉えられ方自体が既に誤っているように思えてならない。
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というのも、「ルサンチマン」というのは元々「貧しき(弱き)ものこそ幸いなれ」という宗教的・文化的背景を持つキリスト教文化圏において、弱者性を強調することで自身の魂の高貴さ(優位さ)を証明し、それによって想像上の復讐を行う、というものだろう。そしてそれゆえに益々弱者であることがより強固に固定化されてしまう、と。それが奴隷根性と言われ、問題とされたわけだ。

しかしながら、日本には「貧しき(弱き)ものこそ幸いなれ」などという文化的・宗教的背景など存在しない。もちろん、富める者はどこか道徳的に問題を抱えているに違いないとか、汚い手を使ってきたに違いないとか、そういったものの見方はわりとメジャーのものとして存在はしている。だがそれは、貧しき者や弱者の精神が高貴である、ということを示しはしないだろう。むしろ自意識原因論的な宗教(世界)観がより強く幅広く根付いている日本では、貧者や弱者は無限の可能性を持つ精神の力を引き出す努力を怠った、怠惰で卑しい精神の持ち主、として認識されているのが一般的なのではないか。

多くの宗教では、社会的成功と精神的な優劣は必ずしも一致するとは限らないとされている。それはそれらの宗教が物理的な成功と人間的(精神的)成功を分散させ、バランスを取ることで、物理的な貧しさや社会的地位の低さに苦しんでいる者の苦しみを軽減させるという役割を担っているからだ(――もちろんそれは、そういった精神安定剤を弱者に与えることで騒乱を回避しようとする政治的意図と結びついてもいるだろう)。それゆえ社会的に優位な環境を獲得できなかった(あえてしなかった)者の魂は精錬であるとされ、そこから弱者は気高い魂の持ち主である、というような解釈が生まれてくる。

一方、日本の宗教観(一般的世界観)はそれらとは全く逆で、精神的な優秀さこそが社会的成功の秘訣だとされている。つまり日本の宗教は成功分散型ではなく、社会的成功者(もちろんこれは富める者を意味しない)こそが人間的にも優であり成功者であるとされる、一体型タイプなのだ。

そのような宗教的背景を持つ日本において、弱者でいることによって精神的な優位さを証明することなどできるはずもない。当然、天国で報われるなどという発想もないだろう。もちろん、弱者でいることによる想像上の復讐もまたマイナーなものとしては存在しているかもしれないが、それが恰も一般的なものであるかのような前提でもって論を組み立てるなら、それは誤りだろう。

それどころか、自意識原因論的な宗教観が根強い日本においては、社会的な成功者ほど精神的にも(相対的に)優であるとされるため、多くの弱者は弱者であることをアピールするどころか、むしろ弱者でありながら強者の側に立ち、強者の立場や論理で物事を考えたり主張したりすることで己の矜持や精神的気高さを証明しようとする。例えば労働者が経営者の側に立ってものを考えたり、いじめられっ子がいじめっ子の気持ちを忖度したり、貧乏人が金持ちに優位な政策を支持する…といったように。全部自分が悪いんです(自意識原因論的世界観の守護者となって世間に媚びる)、が評価されるのもこういったものと無関係ではないだろう。

――先ず周りの様子を見て社会的にどちらが良いイメージを持っているかを確かめ、自らをそれに一体化させるよう試みる(もちろん“世間”を判定するのはその者の感覚であるため、一体化させようとしたそれが実際に一般的に優位であると評価されているとは限らない)。もし自らが世間から卑しいとされる属性を持っていた場合は、その属性を持つ他の者を踏み絵として踏みつけてみせることで、私は弱者ではあっても怠惰で愚かなあれらの者達とは違い、人間的成長のために日々努力を続けている気高い弱者なのです、と趨勢側にアピールしてみせる。或いは自分自身を貶めて見せることで強者に媚びる。こういった習癖に飲み込まれ勝ちなのが日本における弱者の一般的傾向だろう。

しかしながら、これは自意識原因論的な観点から見るとごく当たり前の行為だともいえる。何故ならそのような視点からものを考えると、卑しい自意識を持つ者は社会的にも人間的にも成功しない、ということになるからだ。だから社会的・人間的成功を収めるためには、まず精神的な高貴さを手に入れなければならないことになる。そしてそのためには世間に評価されねばならない。何故なら、自意識の優劣という概念は一人きりでは決して生まれ得ないものであり、結局のところその出自は世間由来のものであるからだ。

つまり、貧者の魂こそ清浄であるというような自意識(ルサンチマン)を持っている“から”貧乏から抜け出せないのだ、というような自意識原因論、自意識の過剰評価こそが日本型ルサンチマンの源なのだ。

そして自意識の優劣と結果を結び付けて考えるがゆえに、成り上がった者は弱者の側に立つどころか、むしろより激しく弱者を攻撃することになる(あいつらは自分と違って苦労が足りず、弱者であることを自分で選択した者達だから、望み通りより強く踏みつけてやるべき、ということになる)。一方成り上がることができなかった者達は、希望――精神的に成長できれば、“気付き”を得ることができればこの状況を覆すことができるはずだ――と矜持のため、自己責任(自意識原因論)を死守し続け、それで自分自身を締め上げて衰弱し、自滅して死んでいく。これこそが日本におけるルサンチマンの一般的形態だろう。

日本に民主主義は馴染まない(無理)、というような主張を目にすることは珍しくないが、そのように思わせる状況にもこういった日本型ルサンチマンが関係しているのは間違いないだろう。というのも、民主主義というのは本来各々が「せーの」で一斉に綱を引っ張り合い、それによって釣り合いを取ることでバランスを取り、最悪を回避する、というもののはずだ。ところが日本型ルサンチマンに飲み込まれている弱者は、自分の側に綱を引っ張るどころか、社会的な評価を気にしすぎるがゆえに、むしろ自分に相対する強者の側に付いて一緒に綱を引っ張り始める。そんなことで民主主義が機能するはずもない。

つまり日本におけるルサンチマンを、ああ、自身の弱者性を強調することで精神的優位さを証明しようとし、それによって想像上の復讐を果たそうとするアレのことね、と言うのは、「欧米か!」とツッコミの入るボケのようなものでしかない。

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そもそも想像上の復讐ということに限定して言うなら、非趨勢側からの反発を疎ましく思う趨勢側がその反発に対し、「それはルサンチマンだ」と指摘し、蔑む行為もまたルサンチマンと言えるだろう。というのも、それは趨勢側に対する反発が決して止むことはないという“動かしえぬ現実”に対し、レッテルとしての「ルサンチマン」を貼りつけ、お前達の自意識(魂)は低劣だ、と中傷することで想像上の復讐を果たしていると見ることもできるからだ。

このように、ルサンチマンは基本的に誰もが備え持っているものであり、それゆえ単にルサンチマンを指摘したところで、それはその相手に「人間だ」と言っているようなものでしかない。こういったことはルサンチマンについて少しでも考えてみたならば直ぐに気付くはずのことだろう。にもかかわらず、そのような感情を抱くことが恰もとりわけ劣った卑しい人間の特徴であるかのように捉えられ、そして尚且つ欧米型のそればかりが強調され続けてきたのは、結局のところ、多くの者が「ルサンチマン」の内容ではなく、それが持つレッテルとしての機能にしか興味を示してこなかったことの結果なのではないか。
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BFD Ecoが$29、その他DTM四方山話

(追記:8/31)自分はすでにaudiomidiから買ってしまったが、よく考えたらこれはaudiomidiのNo Brainerではなく、FXpansionの公式プロモなので、恐らく近いうちに日本の代理店でも似たような価格でecoが売り出されるのではないかと思われる。断言はできないが(9/1が本来のプロモ開始時期らしい)。代理店から買うと日本語マニュアルも付いてくるだろうし、購入を考えている人はもう少し待った方が良いかもしれない。<了>

(追記:9/2)http://www.watanabe-mi.com/shopping/list/c1791/
やはり来た。日本では¥3,990か。中々微妙な値付けだが、箱や日本語マニュアルが欲しい人は日本で買った方が良いかも。期間は2011年9月7日から2011年12月31日まで。因みに自分がaudiomidiで買った時は\2,284だった。<了>

http://www.audiomidi.com/BFD-Eco-P12903.aspx
※「audioMIDI.com cannot accept International paypal orders. 」とあるので注意。検索してみると普通に取引できたという報告も多数あるし、実際自分もここからpaypalでRP-Delayを買ったが、お勧めはしない。

http://www.jrrshop.com/catalog/fxpansion-software-instrument-p-11170.html
但しElectronic Deliveryではなく、現物販売のみ?

audiomidiが最初にセールを始めたみたいだけど、JRRshopも追従してセールを始めた様子。このソフトはかなり重いらしいが、これだけ安いとしょぼいパソコンで尚且つHDに空きもないし使う予定もないのに買いたくなってしまう。容量がデカいといってもBFDに比べれば十分の一くらいで、入らないこともないし。正に「ステュピッド・ディール」の誘惑。BFDはかさばり過ぎるので、むしろecoの方に魅力を感じてしまうという。

ただ実際のところ、個人的にはドラム系ではAddictive Drumsの本体ではなく拡張だけが欲しかったりするのだが。BFDなんかも元々60GBもの容量を持つ割に拡張入れてなんぼ、とか言われていたりして、どうもこういった方式には疑問を感じてしまう。

(KONTAKT一強になったこともあって)今もそういう形態を取るところは少なからずあるが、昔はまずプラットフォームとなるサンプラーを手に入れてからサンプル音源を買うというのが常識だった。しかしそれだと中々音源が売れないので、音源に専用プレイヤーが付くというのが今の基本になっているのだが、ドラム音源の場合、ある意味未だに昔のそれに近いものがあるようにも思える。

http://forum.cockos.com/showthread.php?t=86617

REAPERフォーラムのTerry H氏の書き込みからすると、今回のプロモーションもそういったプラットフォームへの客の囲い込みという思惑がありそう。

plus owning BFD Eco puts you in the cost effective upgrade path to BFD2 and ( TBA ) BFD3 as your music production skills evolve and require a more sophisticated and powerful drum sound workstation .

まずプラットフォームとなるシステムを手に入れてもらわないと、幾ら拡張を出しても購入層は限定されてしまうからなあ。逆に言うと、プラットフォームを標準化させた方が勝ち、みたいな。

因みにこのプロモーションは本来、9/1から始める予定だったらしい。

「The BFD Eco $29 promo is an official FXpansion promotion will was scheduled to officially go live on September 1, 2011. 」「a couple of "eager beavers " within our North American dealer channel」

というわけで、audiomidiのフライング――REAPERフォーラムでの報告の日付を見る限り、少なくとも8/24からセールを始めている――でなし崩し的にプロモが始まった、ってことなんだろうけど、当然こういったものは先にセールを始めた方が有利なわけで、こういった協定破りみたいなのはディベロッパー側がどういう風に捉えてるのかが少し気になる。

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それにしても、REAPERの該当スレッドでも早速プロモに乗じてPlatinum Samplesが売り込み活動を開始しているように、日本とは違って海外ではこんな風にベンダーの広報や開発者が直接あちこちのフォーラムに書き込み、売り込みをしたり質問に答えたりするのが当たり前になっているのが面白い。

日本でそんなことをすれば工作員扱いだが、向こうではむしろフォーラムで自分の質問に答えてくれなかったことを根に持ち、その後ことあるごとにその会社に批判的な書き込みをする人なんかもいたりして。或いはIKみたいに情報を小出しにした売り込みが「新製品にミステリアスな雰囲気を醸し出そうとした」として顰蹙を買い、あげく結局それはいつものようにiPhone/iPod touch/iPad用製品であったことが判明し、物議を醸し出す会社と言われたりして。

そういえば、DDMF※1が一瞬だけC&Rシステム※2にして直ぐに元に戻したことがあったのだが、それもC&R方式の採用がKVRのフォーラムで大顰蹙を買ったためだった。そして最終的に、ムバラクでさえ民衆の声を聞き入れるこのご時世に自分がそれを無視する意味などあるだろうか、みたいなことを言ってC&R方式を取り下げたという、そういう経緯がある。他にも、(2caudioの)BreezeはAetherの簡易版だから、Aetherユーザーにはただで配るべき、みたいなことを言いだす人がいてひと悶着したことがあったりしたのだが、あのやり取りも中々面白かった(といっても英語は全く分からないので翻訳で雰囲気をつかんでいるだけだが。因みに、BreezeはそもそもアルゴリズムがAetherとは異なるため、Aetherライトではないということだった※3)。

まあそういった声にいちいち答えるのは大変だろうが、見ている側としては開発者や広報が公共の場で一般ユーザーと直接活発にやり取りしているのを見ることが出来るのは非常に興味深い。こういった光景は日本では中々見られないように思う。まあ、ツイッターなんかでは一部強制的にそんな感じになっているところもありそうだが。



※1 そういえば、IIEQPROをv3にアップデートした後アップデートのお知らせが来なくなったのだが、どうなっているのだろう。まあアカウントから最新版のダウンロードはできるので大きな問題はないが、KVRのフォーラムでもチェックしていないとアップデートされたことが分からないというのはなあ…。

※2 ひとたび倒産や不慮の事故などが起こると、それによってもうそこが開発したソフトはそれ以上使えなくなってしまう可能性が高くなるため、KVRのフォーラムなどでは、取り分け弱小ディベロッパーや個人開発者がC&Rを採用することに対して非常に厳しい目が向けられる。もちろんC&R自体を嫌っている人も多いが。

※3 Spaces Speak, Are You Listening? - The MIT Press
よく分からないが、Breezeのアルゴリズムにはこの研究による理論が取り入れられているとか。それと関係あるかどうかは分からないが、デモを試したところ、Breezeはアルゴリズム系でありながらIR系のような空間的な音がして中々良かった。低価格もののリバーブではValhallaRoom($50)が非常にクリアで評判もそこそこだが、Breezeと比べるとどうしても平べったく感じてしまう。個人的には、低価格ものに関してはセール時($99)にBreezeを買うのが一番無難な選択であるような気がする。因みにKVRにおけるリバーブ一番人気はAether。

REAPER4用テーマCloudySkyを修正

CloudySky_v1.1.zip

▼v1.1での変更点

・"toolbar_blank.png"(ツールバー・ボタン)の選択時と非選択時の位置のズレを解消(kai以外)。
zure.png←微妙にズレてる。

・"mcp.label"の数値を変更し、デフォルトタイプ・ミキサー上のトラックネームの文字の位置を微調整(Gray-A,B)。

・トランスポートのフォントを変更(kai以外)。
transport_0.png

transport_1.png

・ツールバーの設定ファイル名を"Custom-Top.ReaperMenu"に変更。

差別の問題にすると絶対的正義の側に立てる?

よく、差別の問題にすると絶対的正義の側に立てるので差別の問題にしたがる、みたいな主張を見かけるが、実際にはむしろ差別の問題にすればするほど余計に強い反発を招くことの方が殆どなのではないか。差別の問題にして絶対的正義の側に立った者なんて見たことがない(そもそも正義とはベクトルの収束であり、それは常に無数に存在するため、絶対的正義など元々存在しないが※1)。つまりそれは明らかな虚偽情報であり、むしろ差別の問題にすることは政治的には悪手であるとさえ言える。

結局のところ、「絶対的正義の側に立てるので差別の問題にしたがる」は、「差別」という言葉が持つ悪の代名詞としての性質を利用するのは汚い、ということを主張したいのだろう。だが、そういった性質を持っているのは今や「正義」にも言えることだ。実のところ、その手のレッテルを全く用いずに文章を組み立てるのはかなり難しい。

とはいえ、悪の代名詞を貼り付けるという政治手法を問題とするなら、全てとまでは言わないまでも、極力そういう性質を強く持つ単語を(「正しさ」の根拠として)持ちいずに論を組み立てる努力をして欲しいものだが、実際に「差別」のソレを問題とする者が他のソレを問題としているかと言えばそれはかなり疑問で、むしろ他の「悪の代名詞」に関しては積極的に利用している、という人の方が圧倒的に多いのではないか。



※1 胸を張って趨勢側の正義に反対する、と言い切る者が少ないのもまた日本の特徴の一つであると言えるだろう。正しさの根拠を趨勢に依存する者が殆どで、私は趨勢とは別の正義を求めている、と主張する者が滅多にいないというか(ex.「普通」に異論を唱えるはずデモで、「普通の市民」が主体となって行っているデモですアピール)。「普通/趨勢」であることが何らかの「正しさ」の根拠になるはずもないのだが(ex.テロリストに兵隊として育てられた子供はテロリストになって人を殺すのが普通)。

REAPER拡張:TabEditor

REAPERの有料版には拡張機能があるのだが、その中でもちょっと興味深いのがコレ。

TabEditor - CockosWiki


TabEditor-CockosWiki.png
上記「TabEditor - CockosWiki」より

要するに、REAPER上でギターのタブ譜を表示させることを目的としたもの。ドネーション・ウェアで、寄付の集まり具合に応じて開発を進めていくらしい。寄付が沢山集まればスコア・エディタなんかを作る予定もあるとのこと。

インストール方法は"C:\Program Files\REAPER\Plugins"に reaper_tab_editor.dll を放り込むだけ。使用するときはまず、対象となるmidiのチャンネルを11-16チャンネルに合わせる(11chにするとノートは初期状態で1弦上に表示され、16chにすると6弦上に表示される)。そしてそのmidiを選択してメニュー・バーのExtensionsからTabEditorを選ぶとTabEditorが表示される。

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人民は国家の共有財である、という共通認識

何故、自殺はしてはいけないこととされるのか。

一つには道徳的理由が挙げられるだろう。しかし、道徳的理由とは即ち宗教的理由であり、それだけでは説得力に欠ける(実際には其々が備え持つ世界観そのものが宗教だが、日本では多くの者に「宗教」と認識された時点でそれは従うべき理由としての求心力を失ってしまう)。

それに、今正に自殺しようとしている人間には自殺をするなと言いつつ、それを避けるための生存活動――それは常に他の“誰か”の迷惑になる――を行っている人間には、「死ね」或いは「死ね」と同等の意味合いを持つ言葉や状況を投げつけるような人間は決して珍しくはない。つまり、大抵の人間は一般的道徳を理由として自殺をしてはいけない、と言っているわけではない。
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では何故それは禁止されるのか。それは、人民は国家の共有財である、という共通認識が裏で強い力を持って作用している結果ではないか。というのも、そのような認識からものを見た時、自殺とは国家の共有財たる命を私的な理由で勝手に破棄してしまうことを意味することになる(――ここで言う「国家」とは、具体的な実体を持ったものとしてのそれではなく、あくまで一人一人の頭の中のにある「こうであるべき」という国家観、その妄想を集約した象徴上の存在としての国家を指す)。

故に、それは許しがたい罪悪であるとされる。尚且つ、その共有財が「私が思う国家観」に害をもたらす/もたらしていると認識された時、或いはそれが役に立たないと判断された時、“勝手に破棄してはならないもの”は、逆に廃棄せねばならないものとなる。

つまり、この「人民は国家の共有財である」という認識が自殺の禁止を言わしめている理由だとすれば、「自殺するな」と「死ね」が同じ人間の口から発せられることの矛盾もまた綺麗に解決する。

REAPER4のデフォルト・テーマを改造してみた

デフォルト・テーマをはじめ、REAPER4用のテーマは黒ベースのものが殆ど。確かに黒ベースのテーマは格好よくていいのだが、v0.999の頃から薄紫/灰色ベースのテーマを愛用してきた者としては、もう少し薄めの色をベースにしたテーマが欲しい。ということで、REAPER4はカスタマイズ性の高さを売りにしていることもあるし、せっかくだから自分用にテーマを改造してみた。

CloudyGb2.png

仕上がりはこんな感じ。
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デフォルトテーマはマスタートラックがステレオ/デュアルパン設定に対応していなかったり、「MASTER」の「R」が何故か欠けていたりと、幾つかの問題を孕んでいる。その中でも特に問題だと思ったのは、個別トラックでピークの数値が表示されないこと。ラージタイプのミキサーを選択すると数値は表示されるが、小数点以下を含めて三桁になると数値が欠けてしまう。

RD4-peak.png

数値表示は必要ない人には必要ないのかもしれないが、個人的には絶対に必要なもの。なので外観を変更すると共に、テーマ内の設定ファイルを弄って個別トラックでもピークの数値が表示されるように設定し直した。慣れない画像加工も大変だったが、これを修正するのはそれ以上に大変だった。設定ファイルのシステムもよく分からず、例によって数値を弄って挙動を確かめるという方法で一つ一つ直していったということもあるし、それに、一箇所弄ると他の箇所も全部手を入れなければならなかったり、ミキサーのタイプごとに設定していかなければならなかったり、大きさを変えるとどうしても無理が出てきて、イメージが滲んだり、中々繋がってくれなかったりもして。特にレコーディングメーター・タイプはちょっと仕上がりが汚くなってしまった。これは、数値が欠けるか画像が汚くなるの二択で、後者の方を選んだため。

そんなこんなで、問題がある箇所が残っているのに中途半端なまま残して置くのが気持ち悪くて、REAPER4を手に入れてからぶっ続けでそんなことばかりしていたせいで、元々極度の近視なのが、より一層悪化してしまった。歳を取ると、心も体も消耗品だということが本当に身にしみて分かる。

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リバースリバーブ・トリック

REAPERの公式ページに、REAPERのチュートリアルビデオを作っているサイトのリンクが貼ってあったので見てみると、その中にこんなものがあった。

Tutorials For Reaper | Reverse Reverb on Vocals | m30 TC Reverb


CDなどでこの手のトリックによって作り出された音を耳にすることは多い。しかし、実際にどうやってそれを作り出しているのかいまいち分からなかった(別に真剣に考えたこともなかったけど)。だがこのビデオのお陰でその謎が解けた。

見れば分かるが一応説明しておくと――まず、複製したファイルを逆再生にする。そのトラックにディケイをある程度長めに設定したリバーブをミックス100%にしてインサート。そしてそれをステレオで書き出す。そしたら今度はその書き出したアイテムをさらに逆再生にし、後は元となる音声とタイミングを合わせ、必要な部分で鳴らすだけ、と。正にアイデアの勝利。まあ自分みたいなど素人でなければ大抵の人間が知っている手法なのかもしれないが、最初にこれを考え出した人は偉い。

――それはそうと、YouTubeでReverse Reverbを検索すると同じようなチュートリアル・ビデオが山盛りヒットしてくる。ここで自分がこれを書いているのもそうだが、このトリックはわりと簡単に派手な効果が得られるので、知ってしまうとついつい誰かに言いたくなってしまうのだろう。

REAPER4がついにリリース

早速購入したが、円高のお陰でたったの\4733($60)だった(――購入後しばらくしてから日銀がドル買いの介入を行ったというニュースをやっていたので、この記事を投稿した時点ではもう少し高くなっているかもしれない)。

オーソライズはキーファイル方式。メールで送られてきたコードをコピーし、それを適当な場所にテキストファイルとして保存しておくと、初回起動時に勝手にそれを探してレジストしてくれる。HELP→License and User Agreement→Purchaseからキーファイルの場所を指定してレジストすることもできる。

因みに、デフォルトだとタイトルバーにライセンス契約を結んだユーザーの名前が表示されるのだが、このユーザー名というのが、ライセンス購入時に使用したカードの名義がそのまま用いられてしまうため、例えば自分のように父のデヴィットを借りて購入した場合、真上に父の名が表示されてしまったりする。

↓デフォルトのままだと、ここに名前が表示される
licensed.png

まあ、HELP→License and User Agreement→Purchaseで「Hide registerd name main titlebar」にチェックを入れると非表示にはなるのだが、どうも気持ち悪い。Garritanなどのように、一旦ベンダーのサイトでユーザー登録するタイプのものは、キーファイル発行前にユーザー名を自分の名前に変更して登録し直せば、キーファイルも自分の名前になるのだが…。
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それはともかくとして――REAPER4のデフォルト・テーマはこんな感じ↓
default.png

見ての通り、トラックやミキサーは幾つかのタイプの中から選択できるようになっている。全体的な見た目に関しても、今までのイナたさは払拭され、かなり洗練されたデザインになってきたように思う。ただ、アイコンはv3やv4αの方が良かったかなあ…(左がv3で右がv4)。
REAPER-icon.png

v4になってどのような機能が新しく追加されたのかはまだよく分かっていないが、見た目で真っ先に興味を引くのは、デュアルパンが追加されたこと(ノブの上で右クリックからデュアルパンモードの選択ができる)。これは結構大きな変更のように思う。まあ実際には余り使う機会は無いかもしれないが。迷子になりそうだし。

さらには、ステレオパンというものも追加された。こちらは初心者にとっても結構実用的かもしれない。例えば、どうも音が横に広がりすぎているように思ったなら、いちいちプラグインを挿さずとも、これで即座にステレオ幅を狭めることができる。また、-100Wにすれば、左右の音の位置を逆転させるようなことまでできてしまう。これは単にパンを振るのとは全く違った効果が得られるので、ミックス時の可能性も広がりそうだ(いちいちノブを右クリックしなくても、File→Project Settings→Pan modeで設定すれば、最初から意中のパン・モードでスタートできる)。

↓左から、デュアルパン、ステレオパン、ステレオバランス/モノパン(デフォルト)。
dual-pan.png

他には、プレイスピードを変えても自動的にピッチをある程度保ってくれる機能がついたのはかなり大きいと思う。この機能が付くことを待っていた人は多そうだ。
preserve-pitch.png

あと、サラウンド環境を持っていない人にとっては余り関係ないが、ReaSurround というサラウンド用のマルチチャンネル・プラグインが追加された。これは映画音楽のようなものを作っている人にとっては大きな福音になるかもしれない。

残念ながら、日本語環境に特有なI/O画面の欠落は直っていなかった。ううむ…。
ketsuraku.png

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その他、詳細な変更点は以下の通り(公式ページの「Version 4.0 Changelog」より)。

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ExperimentalSceneのAntiAliasでEQの設定を確認

以前、理屈もよく分からずにReaCompのアンチエイリアス機能だけを使用する方法を紹介したが、実際にそれを行ってみたところ、どうもレンダリング時に音が変わってしまうケースに何度か遭遇した。なぜかはよく分からないが、その場合、ピークが割れたりするのではなく、音の小さな部分が汚くなったりするケースが多かった。なので、今はその手法は余り使わない方が無難かな、というところに落ち着いている。

ExperimentalScene『AntiAlias』



しかし、最近このアンチエイリアス専用のフリープラグインを手に入れ使ってみたところ、こちらの方は結構使えそうな気がする。なにより効果が非常に分かりやすい。
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エイリアスノイズに関しては、下記サイトの「DAW 内プラグイン・エフェクト使用時の プロジェクト S.R.設定に関する考察」が非常に興味深かった。画像で折り返しによってできるノイズの量が確認出来たりして。アンチエイリアスに関する説明も分かり易い。

Studio Gyokimae - サイト目次

44kHzのプロジェクトを例にとります。
33kHzの信号は本来可聴域外ですが、これがプラグイン・エフェクトの適用などで倍音として付加
された場合、33k . (44k / 2) = 11kHz という可聴域「内」の信号が、いわば捏造されることになりま
す。
ならば22kHzを越える周波数はフィルターすればよさそうに思われますが、デジタル領域ではフィ
ルターを適用しようにも、そもそも22kHzを越える周波数と、折り返しで生じた信号の見分けがつ
きません。
次に、192kHzのプロジェクトを例にとると、96kHz以下の周波数については、この折り返し現象が
おきません。この領域で存分に倍音を付加してから最終的に音声を44.1kHzに変換する直前に
22kHzのローパス・フィルタを通した場合と、はじめから44.1kHz設定のプロジェクトで倍音を付加
するのでは、先述のように「捏造」される信号量に差が生じます。

――「DAW 内プラグイン・エフェクト使用時の プロジェクト S.R.設定に関する考察」より

取り分けサチュレーションなどを掛けた場合に、より顕著にこのノイズが現れるらしい。

ExperimentalScene『AntiAlias』の説明には

AntiAlias filters out frequencies above the Nyquist frequency by oversampling then shelf filtering with a FIR filter.

とあるように、このプラグインはオーバーサンプリング時にフィルターをかけることで、この「「捏造」される信号量」を減らすためのものなのだろう。実際にそれがどれほど上手く機能しているのかは分からないが(検証する能力もないし)。ただ、これを挿すのと挿さないのでは、誰が聞いてもハッキリ分かるほど大きく音が変わることだけは確かだ。傾向としては、これを使うと音がハッキリしてくぐもりが軽減され、明るく硬く高音が目立つ音になりやすい。

実際、これを挿さずにEQを設定し、その後にこれを挿してみたところ、音がよりハッキリするので、それまで気付かなかったEQの設定の失敗に気付きやすくなった。ああ、こんなにも酷い設定をしていたのか、と。少なくともそういう用途で用いるのなら、これは間違いなく使えるプラグインだと言えるだろう。

もちろん、本来の用途であるエイリアスノイズを緩和するためにも使えるだろうが、ReaCompの例があるので、余り胸を張ってお勧めすることは出来なかったり…。それにしても、レンダリング後に音が大きく変わってしまうというのはどういうことなのだろう。それとも気付いていなかっただけ?もしかしたら、以前はWAVではなく直接MP3に変換していたので、そのせいかも…。まあ取りあえず、今のところはこれでレンダリング後に特別音が汚くなったと感じたことはない。

 ***

尚、オーバーサンプリングすると設定ごとに微妙に音量が変わったりするのでその点には注意が必要。ある一つのケースでは、2xで0.2dB、4xで0.5dB、8xで0.3dB、16xで0.1dBほど音量が上がった。32xでは元の音量のままだった。

それからこのプラグインは、一旦他のプラグインを表示させてからもう一度表示させ直すと、どんな設定をしていても2xのボタンが点灯してしまうというバグを抱えているので、そこにも注意が必要。ただCPU消費を見る限り、表示上は2xになっていても中身はちゃんと以前の設定が引き継がれているようではある。しかし少々紛らわしい。

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プロフィール

後正面

Author:後正面
ひきこもりという役割を引き受け
ざるを得なかった一人として
人間について考えてみる。
でも、本当はただの断末魔ブログ。

働けど無職。
-------------------------
※コメントは記事の内容(主題)に関するもののみ受け付けています。また、明らかに政治活動的な性質を持つ内容のコメントはお控え下さい(そういった性質を持つ発言は、それを許容するような姿勢を持つ一部のブログを除いて、自分のブログで行うものだというのが私の基本的な考え方です)。

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