ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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印象派的現実

書く気も失せるが、なんか書かないと気持ちの区切りが
付けられないので。
---------

先ごろ行われた大阪府知事選挙では、やはりというか案の定というか
橋下氏が圧勝という形でその幕を閉じる結果となった。

まあ今回の選挙は「0秒当確」どころか、彼が立候補を表明し、民主党が
その対抗馬として彼の知名度を上回る程の魅力を持った候補者を立てる事
が出来なかった時点でもう既にその結果が決まっていた「期日前当確選挙」
だと思っていたので、その結果自体は何の意外性もなく、ただ用意
されていた儀式が粛々と終了しただけという感じではあったが。

それにしても、今回の選挙では日本の政治や常識(共通認識)は結局
テレビという舞台によって決定されていくのだな、ということを改めて
痛感させられた。何しろ、橋下氏の対抗馬であった熊谷氏はテレビに
出演するや否やその当選の可能性を失ってしまったのだから。

では何故そんなことになってしまったのか。それはテレビに映る彼の姿、
その態度や口調、所作などから醸し出される印象が非常に悪かったからだ。
どんな風だったかをもう少し具体的に言えば、如何にも大阪のワンマン
経営者的なギスギス感の漂う雰囲気を持っていた、とでもいえばいい
だろうか。失礼ながら、テレビで初めて彼を見たとき、正直
「ああ、この人には入れたくないな」と思ってしまった。

対話というのは、相手の投げたボールを一旦受け止めて、そしてその
内容をちゃんと吟味した上で、それに何らかの手を加えてまた相手に
投げ返すということの繰り返しだ。だが、たまに相手の投げたボールを
一度受け止めることもせず、そのままかっ飛ばしてボールを返すタイプの
人間がいる。こういうタイプの人間は非常に厄介だ。熊谷氏はちょうど
そういうタイプの人間に“見えて”しまったのだ。

尚且つ、同和事業の撤廃を拒んだことから、ちょうど小泉改革の時のような
「改革派の橋下氏と守旧派の熊谷氏」という構図まで出来上がってしまった
(実権を握ってきた与党側の人間が“改革”を唱えるという構図まで同じ)。
それに「財界や官僚とベッタリな関係」というイメージが張り付いてしまった
のも痛かった(財界の連中は途中で空気を呼んで橋下氏支持に乗り換えた
みたいだが)。多くの者が、彼が知事になっても何かが変わるという予感を
抱くことが出来なかったのではないだろうか。

いや、勿論これはあくまでイメージだ。実際彼がどういう人物なのかは
ハッキリ言ってよく分からない。もしかしたら、本当はテレビでの印象
とは全く違う、柔和で機知に富み、寛容性と包容力を兼ね備えた非常に
稀有な人物だったのかもしれない。

だが、テレビに映る熊谷氏の姿が、彼が知事になることによって何かが
変わるという予感を全く民衆に抱かすことが出来なかったことが、彼に
致命的なまでの止めを刺した。何故なら、結局殆どの「一般的」な人間は
単純に「この人なら何か流れを変えてくれそうだ」といった印象だけで
その投票行動を決めてしまうからだ。

それが良いとか悪いとかの問題ではなく、それが現実なのだ。

だから、少なくともテレビに出演した時に良いイメージとまでは
行かなくとも、悪いイメージを抱かれない程度の「テレビ耐性」を持った
候補者でなければ、日頃から何百、何千万という視聴者の目に晒され
ながらそのイメージを保ち続け、生き残ってきたタレント候補に勝つこと
など出来る筈もない(その点で言えば、共産推薦の梅田氏は充分水準を
クリアしていたのだが)。

恐らく自民党はそのことを織り込み済みで選挙で勝つ為の候補者を選んだ。
それに対し、民主党はただ「相乗り」や「タレント候補」であることを批判
されるのを逃れる為だけの消極的な姿勢で候補者を選んだように思える。
そしてその動機の違いがもろに結果に出た、というところだろうか。

ただ、熊谷氏の人気が急落した理由について、彼が「橋下氏の批判
ばかりしていたから」だとか、「ネガティブキャンペーンをしたから」だとか
いう意見をネット上で見かけたが、それは関係ない。いや関係あると
いえばあるのだが、それは彼(ら)がネガキャンをしたからではなく、
ネガキャンが下手だったからだ。

そもそも「ユビキタスドラッグ」で書いた通り、選挙で勝った橋下氏は
恫喝芸や貶め芸によってのし上がってきた人物だ。実際、橋下氏に
ネガティブなイメージを付与された「『悪人』達を、正義の味方である
タレント候補がバラエティー番組的に痛快にぶった切ってくれる」ことを
期待して彼に投票した人も多かったのではないか。本当にネガキャンが
嫌いな人間であれば、そういった手法を使う橋下氏もまた支持しないだろう。
だが、結果は知っての通り橋下氏の圧勝に終わった。つまり、ネガキャンを
したか否かは問題ではなく、それが上手かったか否かが問題なのだ。

そして、たとえ「税金を払わない奴は生きる資格がない」だとか、
「高齢者ら社会的弱者の予算が減るかもしれないが、それは仕方ない。
大阪を元気にすることを目標にした」などというようなえげつない思想を
持っている者であっても、テレビに映る姿で視聴者に変革を予感させる
ことさえ出来れば、何かしら良いイメージを抱かすことが出来れば、
多くの者の心を虜にし、勝利することが出来る。

実際うちの母は、病院に寝たきりの祖母を持ち、精神的な病でゴミ屋敷
のような家にひきこもっている妹を持ち、自らも高齢者であり、持ち家も
貯金もなく、無職の息子を持っている社会的弱者なのにも拘らず橋下氏
に一票を投じた。彼が起こす変革が何を意味するのか想像すら出来ず。
だがこれが「一般的」な人間の姿であり、理屈で何を言っても無駄なのだ。

生まれ持った容姿や資質。その材料を使い、自らのイメージを取り繕い、
他者のイメージを貶めるコミュニケーション能力。そしてそのイメージを
増幅させ、一瞬で何百万人という人間に感染させることが出来るテレビ。

その前に於いて、理性はただ敗北を噛み締めることだけしか出来ない。

(追記) 続きを書いた。

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Author:後正面
ひきこもりという役割を引き受け
ざるを得なかった一人として
人間について考えてみる。
でも、本当はただの断末魔ブログ。

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