ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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それ即ち布教活動

誰かにとってかけがえのないものは、常に別の誰かにとっては下らないものであったり邪魔なものであったりする。そしてまた、人々の目的が一つに統一されることは決してない。人間が何か別の存在にでもならない限り。

よって何かを主張する時や何かについて議論する時は、先ずこの原則を念頭に於いた上でそれらを為すべきだろう。何故なら、誰もが常に最上位に置くべき共通の目的や、どのような存在/感覚を生き残らせ、どのようなそれを消滅させるのが正しいのか、という「設定」を設けようとした時、それは完全に宗教上の話になってしまっているからだ。物事の存在自体に対し、何が必要で何が必要ないかを判断する。何が生き残るべきで何が滅ぶべきかを判断し、その流れを作り出す(若しくは加速させる)べく働きかける。誰もが何よりも優先すべき真に正しい目的を人々に指し示す。こういった行為は「神」(ないしはその代弁者)の振る舞い以外の何物でもない。
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何らかの強者/弱者設定※1を行った上で、進化論の都合の良い部分を抜き出して援用――弱者は元々淘汰される運命にあるのだから、それらが滅び行くのは仕方がないというあの論理――し、何が生き残るべきであり何が消滅すべきであるかを人々に説く。これは上記した振る舞いの中でも最も一般的なものだ。だがそれは、「自然」という「神」の(本来存在するはずもない)意思や目的を勝手に代弁する行為であり、つまるところ自らが生み出した宗教の布教活動に他ならない。

自身の願望や目的を一端自分以外の大いなる“何か”の意思や目的であるかのように置き換えてそれを主張する。こういった手法は、誰もが一度は用いたことがあるはずだ。そうでもしないと中々自分の意見は受け入れられないからだ。例えば、同じ意見でも社会の代弁者という体裁を整えた上でそれを主張するのと、独立した一個の個人としてそれを主張するのでは、その受け入れられ方に自ずと差が出てくる。

その結果として、主張の正しさを担保する為に生み出された「神々(自然/社会の意思や目的)」の代弁者達の主張がぶつかり合い、あちこちで自覚なき宗教論議を繰り広げられることになる。だが、そこで行われるのは「神々」の代理戦争としての議論。それは宗教的なものであるが故に、似たような宗教的感覚を持ち合わせている者同士でもなければ、徹頭徹尾話が噛み合うことはないだろう。しかも「設定」の創設に対する宗教性を指摘しても、殆どの人間が自身を無神論者だと信じ込んでいる――尚且つ多くの者が宗教に否定的なイメージを抱いている――日本に於いては、それはただのレッテル張りとして認識されてしまう。従って宗教論争であるという認識を欠いたまま行われるその議論は、結局ただ特定の教義に帰依するのかしないのかという争いにしかならない。これはつまり、信教の自由という原則が疎外されたまま、透明な宗教の布教活動や、それへの従事要求がなされていることを意味する。

諸外国に於いて、キリスト教やイスラム教などの宗教が社会に対する大きな影響力を持っていることは誰もが知るところだろう。多くの日本人はそれを奇異なものを見るような目で見ているのではないか。何故そこまで宗教に熱狂出来るのか、と。だが、実は日本人もまた同じように熱狂しているのである。名前の無い透明な宗教に。そしてその趨勢が日本の社会システムの在り様に大きな影響を及ぼしているのは間違いないだろう。



※1 そもそも、どのような要素が生き残るか――未来――は後になってからしか分からことも多いのだから、強いものが生き残るという考えを前提とするなら、その時点で何が強くて何が弱いのかということはまだ分からないはずだ。よってこの場合に於ける、本来知り得ないはずのものが予め知り得たものとして提示される形での強者/弱者定義は、予言やお告げに相当する性質を持っていることになる。

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ひきこもりという役割を引き受け
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