ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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「社会(他人)に迷惑を掛けるな」という欺瞞

人間社会の営みは、お互いが迷惑を掛け合うことを前提として成り立っている。なんせ、そこは生存競争の場でもあるのだから、他人に迷惑を掛けずに生きていける者なんてどこにも存在しない。生きるとは、即ち他者に迷惑を掛け続けることでもあるのだ。だから、それがごく個人的で得手勝手な主張であるという前提で「俺に迷惑を掛けるな」と言うのならまだしも、“みんな”の総意として「社会(他人)に迷惑を掛けるな」と他者に要求しつつこの世に居残り続けるのは、欺瞞以外の何物でもない。
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そしてその欺瞞を真に受け、「社会(他人)に迷惑を掛けてはいけない」という規範に囚われすぎると、その先には孤立と死しか待っていない。というのも、本気で他人に迷惑を掛けまいとする者は、まず他者との直接的な関わりを断とうとするだろうからだ(関わるということは、迷惑を掛ける可能性の高さを保持することなので)。そうすると孤立せざるを得ない。ところが孤立したらしたで、今度は間接的な関わり(迷惑)を断つことが規範から求められることになる。しかしながら、そもそもこの世に居続ける以上、直接的であろうが間接的であろうが他者との関わりを完全に断ち切ること(≒誰にも迷惑を掛けないこと)は不可能。とすれば、結局その者は最終的に「この世から姿を消す」という一択のファイナルアンサーを迫られ続けることになる。「他人に迷惑を掛けてはいけない」という強すぎる規範を内面に抱え続けている限りは(――勿論、それを迫るのは規範だけとは限らないし、逆にその規範やそれを利用している者達に対して逆襲を試みる者もいるだろう。だが、焦点がボケるのでここではそういった要素は扱わない)。

…ところが、実際にその規範からの問いにアンサーして自殺する者が現れると、今度は必ずその行為を迷惑だと言って非難し始める人間が出てくる。しかし、そもそも自殺というものの多くは、その実行者の資質が他者(人間や自然が作り出した環境)と関わり合うという、相互的な関係性の下で生み出されている。つまり、非自殺者もまた自殺という現象の一部なのだ。だからその現象を問題視するのならば、当然自殺した(する)当人の在り様だけでなく、自殺をしない非自殺者側の在り様もまた問題にされなければならない。そして、もしその現象が備え持つ迷惑が非難されてしかるべきものだとするのならば、むしろ非自殺者の側こそがより厳しく非難されるべきだろう(非難といっても、死んだ者が生きている者を非難することは出来ないので、実際にはその非難を内面化して反省するしかないが※1)。何故なら、自殺者達は非自殺者側に、それこそ文面通り、死ぬほど迷惑を掛けられた結果としてその行為に及んでいるのだから。その者達が迷惑を掛けられた度合いは、非自殺者が受けるそれなど比べ物にもならない。

 ***

人は誰しも簡単に詐欺師になることが出来る。そのための方法は簡単だ。社会という、本来明確な主体も意思も無い、しかし何か偉大なものを感じさせるその存在――即ち「社会」という名の神――の意思を勝手に騙り、社会の代弁者として、道徳人として「社会(他人)に迷惑を掛けるな」と他者に要求するだけでいい。或いはその尻馬に乗るだけでいい。それだけで、誰もが近年話題の振り込め詐欺なんかよりももっと安全でもっと実りある、そしてもっと狡猾な詐欺を働くことが出来る。そういった騙し合いの下で、人間は生きている。


…というか、以前にも何度か同じようなことを書いたような気が。まあこのような認識が常識として定着でもしない限り、自分の気が済むまで何度でも何度でも同じことを書き続ける所存ですが。

関連:
壁で卵を押しつぶす作業始まったな
幻想時代への回帰



※1 とはいえ、その反省の苦しみから逃れたいという欲求が、その現象の原因と責任の全てを一方的に自殺者側に押し付けようとする動機の一つになっていたりもするので、物事はそう簡単ではないのだが。

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ひきこもりという役割を引き受け
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人間について考えてみる。
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