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ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

古代の逆襲?

精神論で大火傷。いや、比喩じゃなくて。

社員のやる気高めようと「火渡り」、足やけどして終わる

イタリアの大手不動産会社が、社員の士気を向上させる目的のイベントで、熱した石炭の上を裸足で歩く「火渡り」を行ったところ、9人がやけどを負い、病院で手当てを受ける結末となった。

 企業向けの自己啓発指導を12年間やっているというアレッサンドロ・ディプリアモ氏は、ロイターの取材に「火渡りは恐怖を克服して新たな目標を求め、限界というものはたいてい自分自身が作っていると理解するのに役立つ」と説明。

これって傷害罪とかにはならないのだろうか?この怪我によるコストは一体誰がどのように負担するんだろう。なんにせよ、企業からすれば大損であることには間違いないはずだが。
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恐怖を克服させることが目的なら、実際の業務を通して社員に自信を持たせるような経験をさせればいいだけのことだろう。この事件では、くしくも「限界というものはたいてい自分自身が作っている」という認識が誤りであるということが証明されてしまったわけだが、ディプリアモ氏はこれからもその誤りを正さずに、こういった主張や活動を続けるつもりなのだろうか。――できればこういう人達は、他人を啓発するよりも自己を教育し直すことにこそ力を注いで欲しいものだが。こういうものを採用する経営者も含めて。

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しかし、この手の儀式は全く百害あって一利無しだと思うのだが、それがどれほど明らかであっても、やはり「無限の可能性を秘めた精神力の奇跡を引き出す儀式」みたいなものに頼ろうとする人間が現れてくるのが現実。しかもそれを信じている者は、一人で勝手に奇跡を起こしていればいいものを、他人にまでその奇跡を起こすよう要求してくるから全く困ったものだ。その上、その儀式の後に誰かが何らかの良い結果を出せば、それはその儀式のお陰ということになる一方、奇跡が起こらなければ、その者の精神が未熟だから奇跡が起こらない、というように結論付けられるので、いつまで経っても間違いは是正されない。

まあそれが是正されないのは、そういうものを信じる人間がそれを他人に強要できる立場に居座り続けるから、ということもあるが。というのも、何らかの分野で成功した者は、大抵自らの自意識の在り様とその成功(結果)を因果で結びつけて現実を理解しようとする。そして、こういった儀式による選別と、それに基づく承認もあいまって、次から次へとそういう成功者が再生産され、人の上に立っていく。その時、その者を取り囲む者達は、立場上、誰もそれを是正できない。

しかし、「労働」とか「教育」という肩書きが付くと、本来ならば問題視されるはずの行為が途端に免罪され易くなるというのは、どうも世界的にある傾向みたいだな。――いや、もしかしたらこれは、自意識は己の自意識を自由改変する力と、その改変によって周囲の状況をコントロールすることができる絶大な力を秘めているという、自意識原因(万能)論説が世界的に流行しているが故のものなのかもしれないが。だとすれば、ある意味日本は先進諸国の中でも最先端を走っている、ということになるのではないか。最先端といっても、その内容は「古代の逆襲」みたいなものだけど。

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ひきこもりという役割を引き受け
ざるを得なかった一人として
人間について考えてみる。
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