ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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フリーのVSTコンプあれこれ

IKグループバイのおまけは、結局「Opto Compressor」をもらった。

今までは、「コンプなんてどうせどれも似たようなものだから、使い易いやつを使っておけばいいや」くらいの考えしか持っていなかったのだが、おまけ選びを契機として様々なフリーコンプの効き具合を色々と聞き比べてみることにより、其々が如何に多用なキャラクターを持っているか、ということに気づいたので、その際の印象を忘れないように書き留めておこうと思う。今回試してみたのは全部で11個のフリープラグイン。因みに、紹介の順に深い意味はない。

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▼Rough Rider/Audio Damage

RoughRider.png

より積極的に音を変えるためのコンプ。「SENSITIVITY」を上げれば上げるほど、全体的にはもちろん、より高音が強く抑えられていく。レシオをどんどん上げていくとゲートっぽくなる。アタック&リリースはスムーズで、音の出し入れを歯切れを良くしたい場合や、角を取りたい場合、さらにそのパートをちょっと後ろに下げたい場合などにも便利。音は柔らかく、高音が押さえ込まれる特徴を持っていて、ハイハットにおける高音のシャリシャリや、キックなどにおける高音のザラつきを和らげたい場合などにも役立つ。変化が派手なのでいつでも使えるというわけではないが、コレにしかできないというような音の変わり方をするので、一軍レギュラーから外すことはできない。最初のままの設定で鳴らすと極端にデカい音になってしまう可能性があるので、立ち上げたらまず「MAKE UP」を0dBにしておいた方が無難。

▼BLOCKFISH/digitalfishphones

Blockfish.png

「saturation」機能が付いていることを見ても分かる通り、これもまた積極的に音を変えるためのものだろう。「vca」モードと「opto」モードがあるが、「optp」モードは音のしぼみ際をよりシッカリと引き締めてくれるので、余韻の邪魔な空気感を取り除いてスッキリさせたい場合などには便利。「opto」モードでもそうだが、取り分け「vca」モードではより音がペチペチしたものになり易いなので、「compression」は余り上げ過ぎない方が無難。あと、「low cut」をオンにすると、意外にもむしろ低音が強調される。これはつまり、低音のコンプの掛かりをカットする、ということなのだろう。

▼Classic Comp/Kjaerhus

ClassicComp.png

フリーコンプのスタンダード。比較的音を変えないタイプのコンプと言われている。ただ、セッティングに失敗するとペチペチした音になり易く、スタンダードなわりにはわりと扱いが難しい。

▼GComp2/GVST

GComp2.png

ただ音の輪郭を整えたり音圧を挙げたりするだけならこれが一番簡単。初心者はコレを使っておけばまず間違いない。自分もこれを一番よく使ってきた。フィルターやゲートが付いているのも非常に便利。ただし、音自体は極端に変なものにはならない代わりに、逆に音の質感に関しては、のっぺりとしてモニターに張り付いたような感じになったり、派手なはずなのに張りがなく、少し元気がないような音になってしまったりする傾向がある。音のバランスは低音よりで、比較的柔らかめな印象。ちょっともっさりしていて、余り引き締まり感は無い。

<追記:9/2> 画像を見て、この時、インプットゲインを極端に下げた状態で試していたことを思い出した。「もっさりしていて、余り引き締まり感は無い」という印象は、そのせいも大きい。「低音より」というのも、別にそうでもないかも。ただ、どちらにせよ音が平べったくなり、そのせいで定位感が弱まってしまう性質を持っているのは確かなので、そこらへんはやはり「引き締まり感の無さ」に繋がってしまうと思う。あと、同設定/同dBにしてインプットゲインを思いっきり下げたものと0dBにしたものを聞き比べてみると、前者の方が音が後ろへ行く事に気づいた(「Compress」を強めにするほどそれがより顕著に表れる)。この特性は、パートごとの前後の奥行き設定にも役立つかもしれない。「モニターに張り付いたような」と言ったのは、これを使う時、今まではアウトプットを下げることで調整していたので、その時の印象が残っていた模様。それにしても、コンプは其々によって設定できる項目が異なってくるし、同じコンプでも設定によってかなり音が変わってきたりするので、其々の性質をしっかりと把握するのは本当に難しい。

▼Opto Compressor/IK Multimedia(有料)

Opto.png

ある程度音の柔らか味を保ったまま輪郭をハッキリさせたい時に役立つ。フリーのものと違ってモニターに張り付いたような感じになり難いのが長所。低音はかなりスッキリめで、高音はよりクッキリした音になる。かといって余りギラついた感じにはならない。欠点は、アタックやリリースが緩やかなためか、或いは低音をよりシッカリと抑える性質を持っているためか、速いフレーズに対応できず、不自然な感じになってしまう場合があること(特に下の部分で引っかかることが多い)。キツめの設定にするとそれがより顕著に表れやすい。それさえ注意しておけば、他のコンプと併せて使っても上手くいくことが多い。M/Sモードにして二つ突っ込めば、MidとSideを個別に調節できるのも良い。

▼GeneComp/buzzroom

GeneComp.png

輪郭の引き締め能力に関しては、多分ここで紹介しているコンプの中でもこれが一番だと思う。軽さも一番。音の傾向は「Classic Comp」に似ているが、設定による音の変化の仕方はこちらの方がずっと幅が広い。ただ、クリックしただけでツマミが動いてしまうため、かなり操作し難い。

▼WTComp/Plektron

WTComp.png

アナログ風味を与えてくれるコンプ。持っていて絶対に損のない逸品だと思う。フリーでこのような立体感を演出してくれるものは(今のところ)中々ない。他のコンプの後に挿すのもよい。ただ、ソースとの相性が合えば効果は抜群だが、そうでない場合――例えば、もう十分目いっぱい潰された2mixの後に挿したりなんかすると、音が不自然に引っ込むと同時に、中央に集まってくすんだ色合いのものになってしまったりすることもある。また、ローズピアノのように元々派手な倍音が乗っているものに使うと、音が割れやすい。元の音を聴いた上である程度「warm(圧縮率)」を決め打ちしておき、後は最少レベルに設定した「out level」を徐々に上げて行ってdBの調整をする、というのがこのコンプ一番簡単な使い方だと思う。よりアナログ風味を得るためには圧縮率を上げなければならないが、そうするとついつい潰しすぎになるので注意。あと、結構重い。

▼PC-2/Jeroen Breebaart

PC-2.png

音全体のキャラクターを変えるというより、主にスレッショルドよりも上の部分を必要なだけ押さえ込み、小さい音と大きい音の音量差を改善するためのコンプ(小さい音を相対的に上げたい場合に向いている)。こういう正統派タイプのコンプはフリーでは余り無いように思うので、非常にありがたい。フリーでなるべく音を変えずにより音圧を上げたいという人には、「Classic Comp」よりもこちらの方がお勧め。というのも、音圧を上げる能力もこちらの方が高いし、(「Lk-ahead(先読み)」ボタンをオンにしていれば)どう設定してもそれほど変なものにはならないように出来ているので。ただし、パラメーターはちょっと大雑把で操作しづらい。アウトプットが1dB単位でしか動かせないのは痛い。ゲインはSonalksisの「FreeG」辺りを後ろに挿して調節した方がよいかもしれない。あと、似たような設定にした同dBの音で比べると、「Classic Comp」よりもこちらの方が少しだけ空気感が目立つ傾向がある。これは単に音圧を上げる能力がこちらの方が上であることの結果かもしれないが、それも含めて自分はこちらの方が好き。

▼ReaComp/Cockos

ReaComp.png

「Keen size」を下げるほど音は比較的引き締まるが、下げれば下げるほど、アタックでちょっと鼻が詰まったような感じになり易い。また、このコンプは音の押さえ際と出際が微妙に丸みを帯びる。従って、歯切れの良さは余りない。さらに、同じ数値に設定した「PC-2」と比べると、こちらの方がちょっと横にべったり広がる感がある。あと、音の余韻の空気感は「PC-2」よりもかなり地味目で、これは押さえ込み能力の差によるものなのかもしれないが、結果として音も少し暗くくすんだものになり易い。よってこれもまた、なるべく音を変えずに、というより、そういった特性を音に与えたい場合にこそ使用すべきものだろう。硬く明るく歯切れの良い音に仕上げたい時よりも、余り空気感を出さずに、柔らかく暗めの音に仕上げたい時に向いている。キックを少しもっちりさせたい場合なんかにはよいかも(と言っても、これはあくまで「PC-2」との相対比較であり、絶対的にはそれほど派手に音を変えるタイプのコンプではないが。しかし、「Rough Rider」ほどではないが、他のものよりも比較的暗めの音になり勝ちなのは確か)。

それから有り難いことに、このコンプにはサイドチェイン機能まで付いている。「REAPERv0.999」でサイドチェイン機能を使う場合は、まずこのコンプを立ち上げたトラックの「I/O」で、「Track Channels」を「4」にする。その上で、「Receives」によって、意中のトラックからトリガーとなる音を「Channel 3/4」で受け取る設定をする。そして「ReaComp」の「Detector input」項目で「Auxiliary Input L+R」を選べば準備OK。後は、トリガーとなる音の大きさ(リダクション量)を「I/O」のヴォリュームで調整すればよい。因みに、キックをトリガーにしてシンセベースを押さえ込むというのがサイドチェインコンプの最も一般的な使い方だが、個人的はキックをトリガーにしてローズピアノを押さえ込んだりすると立体感が出て中々良いと思う(というか、もしかしてこれも常識?)。

<追記:9/14>
 この時は試してみなかった、オーバーサンプリングによるアンチエイリアス機能も試してみた。アンチエイリアスすると、しない時よりも多少音がハッキリとし、スマートになるような感じ。特に低音のモヤが改善され易い。さらに、音もほんの少しだけ明るくなるように感じた。ソースによってはそれほど違いは感じないかもしれないが、例えばローズピアノなんかにこれを使った場合は、横にベッタリと広がり勝ちだった音がスッキリとまとまり、かなり聞き易くなった(4倍だと微妙だが、8倍にするとそこそこの効果が表れた)。まあ劇的な変化を期待するとガッカリするかもしれないが、ローズピアノなんかの場合、オーバーサンプリングした「ReaComp」の方が「PC-2」よりも向いているように思った(ただし「PC-2」の方が音は派手で、音圧上げという面ではやはり劣るが)。あと改めて思ったが、「PC-2」はどうしても音の頭が硬くなりがちなので――「Knee」がゼロの「ReaComp」よりも「PC-2」の方がずっと硬くなる――、頭をある程度柔らかくしたい場合もまたこちらの方を使った方がよいだろう。因みに、当然のことながらオーバーサンプリングの倍数を上げれば上げるほど負荷もまたそれに伴って重くなっていくので、自分の場合は使ってもせいぜい「8×」くらいまでかな、というところ。

▼Sonnix/Minimal System

Sonnix.png

乾いたキックに使った場合は、「GeneComp」などとさほど変わらない。しかし、このコンプはそういった余韻が余り無いものよりも、ハットやハンドクラップなど(或いは別にキックでもよいが)少しアンビエンスが含まれたモノに使った場合にこそ本当の力を発揮する。音の余韻による空間表現の派手さに関しては、これにかなうものはないだろう(リリース早め、レシオを高めに設定するとよりそれが顕著になる)。元々アンビエンスが全く含まれていないものでは、単に音の後ろが伸びたような間抜けな感じにしかならない――普通のコンプとして使う場合は、通常よりもリリース遅め、レシオ低めにしたほうがよいだろう――が、モノによっては学校の教室が体育館に、体育館がスタジアムくらいになったりする。いや、コレの威力は本当に凄い。

▼Density 1.0/Variety Of Sound

Density.png

以前、キックで使うと迫力不足でいまいちと言ったが、改めて聞いてみると、これはキックでも十分使えることが分かった。下半身太りをなんとかしたい場合などは特に。また、キックで使った場合は細身になると同時に、ザラ付いた空気感が取り除かれ、より純度の高い音になる。このコンプは基本的に、低音を余り膨らませたくない(或いは低音がちょっと煩い)場合や、高音を煌びやかにしたい(或いは高音が弱くて寂しい)場合に向いている。その方向性さえ合えば、かなりの力を発揮してくれるように思う。

さらに、このコンプはとにかく多機能で、「SC freq」の横のボタンをオンにすると、「SC freq」と「HP(ハイパス)/BP(バンドパス)」によって設定された音を付加して厚みを出すことができる機能がついていたり(上にあるスピーカーマークのボタンをオンにすると、付加される音だけを聴くことができる)、「trafo」ボタンを押すと迫力が一気に増したり、「phat」をオンにするとサチュレーションっぽい効果が得られたりもする。アッタクを調整するツマミは無いが、その代わり、「fast att」ボタンをオンにすればアタックを早めることができる。その上、右下の画面ではM/SやL/Rの入力量を調節することまでできてしまう。…とまあ、非常に高機能なコンプだが、その分かなり重い。

▼Density MKII/Variety Of Sound

DensityMKII.png

初代から打って変わって「FAIRCHILD 670」系に方向転換した二代目。MidとSideを別々に分けて処理することができるのが大きなウリ。「IK670」のような立体感を作ることはできないが、音のキャラクターは非常に似ている。とにかくガッツリ抑えてくれる。これをフリーで手に入れられるのは非常にありがたい。ただし重さもデラックス。とはいえ、CPU負荷は「Density 1.0」よりは比較的安定している。「Density 1.0」はCPU負荷が極端に上下し、場合によっては「MKII」よりもずっと重くなったりする。安定感や洗練度ではやはり二代目の方が上か。

 ***

さて、おまけを選ぶ義務も果たしたことだし、再び人間と人生に絶望する作業に戻るとするか…。

コメント

これがフリーとは

世の中についていけない、DTM 旧世代としてお礼を言わせていただく。ありがとー

ずいぶんいろんなものが出ていますね。

> BLOCKFISH/digitalfishphones
>「low cut」をオンにすると、意外にもむしろ低音が強調される。

普通にEQかもしれません。楽音として有効な(知覚可能な)周波数にはおのずと限界があるので、そのあたりをEQで弱めておく事に価値があります。特に低域の音量に大きく影響されるコンプレッサーでは甚大です。

どちらが正しいのかは、実験してみるしかありません。予め低域をおさえたサンプルを抑え方のバリエーションをつけて幾つか用意しておき、「low cut」 の影響と相関があるかを調べるわけです。

これがフリーなんです

>普通にEQかもしれません。

予め掛かっていたEQの効きをカットするので「low cut」ですか?流石に名前からしてそれは無いような。

もしこの変化がEQによるものなら、「vca」も「opt」も「low cut」をオンにすると、大体同じ程度音量が変化するはずではないでしょうか。しかし、例えばキックを鳴らしてアナライザーで見てみたところ、50Hz付近で、「vca」は+3.5dBほど音量が上がった一方、「opt」ではほんの僅かしか音量は上がりませんでした(マウスでポイントの位置を確かめただけなので、正確な数値とはいえませんが)。また、150Hz付近では逆に、「low cut」をオンにしても「vca」はほんの僅かしか音量が上がらなかった一方、「opt」では+1.5程音量が上がりました。まあ二つのモードで元々別個のEQセッティングがなされていたという可能性もなくはないですが、これらのことから考えると、単純に低音部分におけるレシオ設定辺りが弱められているだけ、と考えた方が妥当じゃないでしょうか。

――というか、そもそも音を聞く限り(高域をカットするセッティングにしたフィルターを前において聞き比べてみた)、「low cut」をオンにすると低域が比較的元の音に近づくようですし(特に「vca」の方はかなり元の音に近くなる)、「compression」の入力メーターも小さくなるので、これはやはりコンプの効き具合に関連するものと考えてまず間違いないでしょう。

どうやら

いや、Low CutはHigh Pass Filterの事です。EQ設定をPASSさせるのではなく、文字通りの意味です。

で、いろいろ調べてみたところ、コンプレッサーの入力に送られる周波数域とバイパス域に別れるらしいです。コンプの入力メーターが小さくなるのはその為のようです。レシオ設定どころか低域にはコンプがかからなくなるようですね。係り具合が変わってくるというのはやはり正しいようです。低域を使わないマルチバンドコンプみたいな感じですね。

コンプレッション方式による結果の違いですが、光学式コンプレッションでは線形どころかまともな応答が得られないし、かなり結果が変わってもおかしくないです。ここらへんも含めてこのコンプがお手軽にキャラクターを変えられる事が評価されているのでしょうね。

>お手軽にキャラクターを変えられる事が評価されているのでしょうね。

それに惹かれて光学式のモデリングをおまけとしてもらったわけですが、後になって、M/S処理&ブースト味付けEQが無性に欲しくなってきて、今ちょっと後悔中だったり。Optoはいつでも使えるというわけではないけど、EQなら全てのトラックに使えるからなあ。

光学式の魅力と、スタンダードに付いているプラグインとデラックスに付いているプラグインだったら、後者の方をもらった方が何となく得なような気がする、という自分のセコさに負けた。

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