ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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プロパガンダ広告化する日本の風景

教育学術新聞 : 教育学術オンライン 第2405号|日本私立大学協会

さて、「就職力」だが、2階建ての瀟洒なキャリア支援センターの入口には1万円の札束が山積されている。2つの札束の山がある。大きいほうが2億9000万円、もうひとつは、半分ぐらいで9120万円。キャリア支援センター事務部長の久保裕道に聞いた。
 「正社員とフリーターの生涯賃金です。このように、卒業後の現実をわかりやすく形にすれば、学生も真剣に就職に取り組むのではないか、とつくりました」。むろん本物の1万円札ではない。

最近思うのは、現実の風景が益々昔の共産主義国家のプロパガンダ広告のようになってきたなあ、ということ。
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流石に実際に札束(の模造品)の山を積み上げているような大学はそう多くはないだろうが、どこの大学でも大抵はこういった情報を学生に耳がたこになるほど教え込んでいるだろう。また、別に大学でそれを聞かなくとも、殆どの人間はどこかしらからかこういった情報を仕入れて来て、既にそれを知っているだろう。にもかかわらず、それを知っていて尚、フリーターになったり職に付けなかったりする者が出てくる、というのが問題の出発点なのだ。

なのに、今更このような分かりきった情報をことさら強調することに一体どのような意義があるのだろう。それは単なる精神論――就活に真剣に取り組みさえすれば誰もが2億9000万を手にすることができる※1チャンスがあるというユートピア――への逃避なのではないか。

そもそも、この格差が事実であるということは、この社会が一回勝負であるという事実を証明することでもある。そしてそれが強く意識に焼き付けられるということは、その勝負で負ければ後はもう少なくとも経済的にはロクな状況が待っていない、と思わざるを得なくなることをも意味するわけで、それを焼き付けられながらそこでの勝負の在り様について行けなかった人間は、その後、完全に(賃金収入という要素に関する)競争意欲を失ってしまうだろう。つまり、社会全体から見た競争原理の活性化という点からすれば、この現実の風景は、本来の思惑とは逆の最悪のプロパガンダ広告として機能しているのではないか。



※1 そもそも、正社員になったからといって2億9000万を手に入れることができる保証なんてどこにもないが。

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