ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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サイドチェイン・フェーディングでコンプいらず

※記事中に重要な訂正あり(11/4)

Intro to Waves Vocal Rider


このVocal Riderというプラグインは、ヴォーカル・レベルのターゲット・レンジを設定してオケをインプットすれば、後は自動的に適切な音量を判定し、オートメーションでヴォーカルのレベルを最適な値に補正してくれる。ここではコンプではなくヴォリューム・オートメーションによって補正が行われる。そのためコンプ特有の音の変化や劣化が起こらない、というのがこのプラグインの大きなウリになっている。

実際にこのプラグインがどのようにして適切なレベルを判定しているのかという情報は一切書かれていないため、ここで具体的にどのような処理が行われているのかはよく分からない。ただこのデモ・ビデオを見ていて思ったのだが、単にコンプによる劣化なしに自動的に音量を補正するというだけなら、つまり、コンプの代わりにヴォリューム・オートメーションを使うというだけなら、別にVocal Riderがなくても出来てしまうんじゃないかと。

以下、REAPER4でそれを行う場合について書いてみた――(今回はTr2からTr1へトリガーとなる音声を送り、Tr1ではそれをトリガーとしてサイドチェイン・フェーディングを行う場合を想定。念のために言っておくが、ここで紹介する方法はあくまで自動的なヴォリューム・オートメーションをコンプ代わりに使うというものであり、別にVocal Riderと同じことをやっているというわけではない。そこらへんは誤解のないように)

【訂正:11/4】 以下に書かれている方法では二つのトラックを用いていますが、これはオート・フェーディングをいわゆるサイドチェイン・コンプの代用として使用するための方法です。単なるコンプの代用としてオート・フェーディングを行う場合は、一つのトラックだけで可能です。サイドチェインといえば外部トラックから音声を読み込ませて行うもの、という固定観念のために勘違いしていました。普通のコンプの代用として使用する時は、下の画像のようにParameter Modulation画面で「Track audio channel」を「1+2」にセッティングしてください。
fade_comp_Correction.png
その他はサイドチェイン・コンプの代用として使用する場合と同じです。【了】

  • まず、トラックを二つ作り、其々に同じファイルを読み込ませる。Tr2は予めI/Oのセッティングによってマスターへ音声が送られないようにしておく。
    fadecomp1.png

    Tr1でTr2からトリガーとなる音声を3/4チャンネル経由で受け取る設定をする。
    fadecomp2.png

  • Tr1にFreeGなどのプラグインを立ち上げ、エンベロープ画面を開く。そしてフェーダーに関する項目のModをクリック。
    fadecomp3.png

  • するとパラメーター・モジュレーション画面が現れるので、そこでAudio control signalにチェックを入れ、Track audio channelを3+4に合わせる。さらにEnable parameter modulationのスライダーをダブルクリックして中央に位置させる(入力が無い時にフェーダーが0dB地点に落ち着くようにするため)。そしてDirectionでNegativeにチェックを入れる。これによって、トリガーとなる音声の音量に従って自動的にフェーダーが下げられるようになる。
    fadecomp4.png

    その他の項目を適切な値に設定。ここら辺の設定は基本的にコンプと変わらない。Min Volumeはコンプでいうところのスレッショルドで、Strengthはコンプレッションといったところか。Max Volumeはトリガーがスレッショルドを超えてから天井に達するまでのスケールの長さの設定。ここではオートメーションをより滑らかにするために、マックス(12dB)に設定しておいた方がよいように思う。

    【追記:11/8】 Max Volumeは、コンプでいうところのPEAK/RMS項目に近いものと考えると分かり易いかも。左にスライドするほどより素早く音に反応し、PEAKタイプになっていく。一方、右にスライドすると反応速度が鈍くなり、RMSタイプになっていく。ドラムなどの鋭いアタックを持つものに掛ける場合や、ピーク・カットのためにはある程度俊敏な反応が必要になるので、マックスから徐々に下げていって適当な場所を探すといいだろう。ただし、PEAKタイプとして使う場合は普通のコンプ以上にシビアな設定が求められることになるので、そこら辺には注意が必要。【了】

  • そして準備をすませて再生してみると、以下のように自動的にフェーダーが上下するようになる。そしたらリダクションされた分だけトリムで音量を上げてやる。
    fadecomp.gif

  • で、以下が実際に書き出してみたところ。アッタクは速めの5msで、15dB程度リダクションされる設定にしている。これを見るとこの処理とはまた別にピーク取りをしたくなるが、それはともかくとして、元々小さかった音がかなりかさ上げされていてるのが分かると思う。これだけかさ上げすれば、この処理だけでも十分オケに埋もれないミックスは可能なのではないか。

    上が処理後の波形
    fadecomp5.png

    因みに、エンベロープ画面でオートメーション・モードをWriteにすればこの処理をオートメーションとして書き出すこともできるが、どうも目が粗くなるようなので余りお勧めはできない。
    fadecomp6.png

 ***

一般的に、ヴォーカルをコンプによってつぶす時のリダクション量は6dB程度までに留めたほうよいがとされている。それ以上つぶすとどうしても音の劣化が目立つようになったり、音が平べったくなってしまうからだ。実際、一つのコンプだけで16dBもリダクションするのは中々難しいだろう。しかし、この方法だとそれが簡単に出来てしまう(もちろん、この方法でもやりすぎれば音の平べったさというのはどうしても出てくるが)。

<追記:9/23>ここでは実験的に15dBのリダクションを行ったが、実際にはやはりこの手法を使っても6dB程度のリダクションに留めて置くのが一番無難なのではないかと思う。15dBもリダクションを行えば、大きなピークを持つ部分と小声のような小さな音が混在しているファイルの平均化なんかもできてしまったりするが、その場合はやはり普通にパートを分けて処理を行った方が懸命だろう。結局のところ、劣化が起こらないことを考慮に入れても、せいぜい8dBまでといったところが妥当か。というのも、余り小さな音をかさ上げすると、シビランスやブレス系統の音までもがやたら大きな音になってしまうであろうことが考えられるので。まあJ-POPのようにヴォーカルをやたら前に持ってくるタイプのものは、オケによってはそれでもまだ足りないという場合もあるかもしれないが。<了>

フリーや安物のコンプはクセが強いものが多い。また少しリダクションしただけでも、あるいは挿しただけでもくぐもりが出てきてしまったりするものも多い。しかしこの手法を使えば、そういった弊害を回避することができる。この手法は余り良いコンプを持っていない人にほど有益といえるだろう。また、この手法を使えばコンプなしにミックスをすることも十分可能だと思うが、コンプを使用するにしても、音に変化を与えることに特化して使うことで、ついついやってしまいがちなつぶしすぎも避けられるのではないか。

――まあ、実際にはこの武器を手にすることによってラウドネス・ウォーが新たなる境地へ、という可能性の方が高いような気もしないでもないが。人々が他人の評価を主軸にして動く限り、ラウドネス・ウォーは決してなくならないだろう(ex.音圧競争を散々バカにしながら「仕事だからしかたがなくて…」)。

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ひきこもりという役割を引き受け
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でも、本当はただの断末魔ブログ。

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