ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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vladg/soundがリミッターをリリース

Molotでお馴染みのvladg/soundがリミッターをリリースした。まだアルファ・バージョンで、今のところ正式名称ではなく、「Limiter6」というコード名で呼ばれている。Molotは非常に優秀だったが、今回のプラグインはそれ以上のインパクトがある。

『Limiter6(仮)』---vladg/sound
limiter6_1.png

このプラグインには、複数のモジュールがが一つに収められていて、それが以下のような順番で処理される。

RMSコンプ

ピーク・リミッター

ハイ・フリケンシー・リミッター

オーバーサンプリング・リミッター

インター・サンプル・リミッター

つまり、通常なら幾つかのプラグインを使って行う工程をこれ一つで済ませてしまおうというもの。まず何よりこのアイデアが良い。もちろん、クオリティ面も文句なし(ただし、かなり重いが)。

実際、NomadのAMTとこのプラグインを(とある2mixで)比較してみたところ、圧迫感の感じ難さや縦横の音像の広がりなどにおいて、こちらの方がよい結果がでる(マルチバンド設定での比較)。FluxのElixer(デモ)と比べても、飽和の上限はこちらの方が上。また、Elixerは音がかなり柔らかくなり、中低音が強調されセンターの上の方が少し凹む癖があるので、場合によっては飽和云々を抜きにしても、こちらの方が良い結果を出すこともある。さらにElephantと比べてみたところ、音の厚みや温かみはElephantの方が上に感じたが、スッキリ度合いやバランスはこちらの方に分があるようにも聞こえた(Elephantは高音がかなり強調される。それが長所であり短所でもある)。

Pro-Lとも比較したかったが、これは以前にデモを入れたことがあるので、再び試すことはできなかった(レジストリを消すのは面倒くさい)。ただPro-Lは、以前にデモを試した時、縦のラインのバランスはElephantよりも良かったのは覚えている。その他の挙動に関しては今回比較していないので何とも言えない。

もちろん、これは合わせ技プラグインなので、リミッター単体と比べるのはフェアではないということもあるだろう。しかし、プラグイン一つだけという条件なら、市販のリミッターと十分に張り合うことができるほどの実力を持っているのは間違いないと思う。少なくとも、フリーのリミッターでこれに比類するものはない。

以下、マニュアルを抜粋して意訳する形(といってもかなり適当)をベースとして、プラグインの特徴的なパラメータや、特性について紹介する。
----------------------------------------

limiter6_5.png

まず、左上に「Stereo" / "Mono」の表示があるので、ステレオ・ソースで使用する場合は"Stereo" に、モノ・ソースで使用する場合は"Mono"に設定する。

「Stereo" / "Mono」の右横には目に見えない「Realtime」パラメータ・スイッチがある。デフォルトでは28msのレイテンシーが生じるようになっているが、レイテンシを最少にしたい時は、"Stereo" / "Mono"の右横の空白部分をクリックして、"Realtime"を表示させる。

▼(1)RMS compressor

ベリー・スロー・RMSコンプ。ピーク・リミッターに信号を送る前に波形を安定させておく用途で使用する。これは、RS124コンプレッサーのとても遅いリリースに触発されて作成されたとのこと。

<パラメータ>
limiter6_2.png

「Lookahead」 ----これをオンに設定し、アタックを最少にすると、アタックを丸めることができる。尚、このコンプレッサーでは、アタック・タイムよりもリリース・タイムを小さくした時、リリース・タイムはアタック・タイムと同じになる。リリースを最少にして”Off”にした時も同じことが起こる。

「Sidechain」----コンプレッサーを作動させる信号に関するハイ・パスフィルター。右に回せばコンプレッサーが反応する帯域をミッドレンジに上げることができる(低音でコンプが反応しなくなる)。低音を強調したい場合などに上げるとよい。

「12/3 dB」ではアナログ・メーターの指標を、12dBスケールと3dBスケールに切り替えることができる。

limiter6_6.png

<代表的な設定手順>

  • メーターの指標を「3 dB」にして、スレッショルドを徐々に下げていく。そして針がほんの少しだけ(0.2dB程度)動くくらいに設定する。
  • そうしたら後はもうスレッショルドのノブは触らずに、インプット・ゲインで調節を行う。もし手動での調整が必要なら、アタックをノブのミドル・ポジションから少しだけ動かす。もしリリースをよりスローにしたい時は、パラメータをアタックよりも大きく設定する。
  • よりアグレッシブな抑制が必要な場合は、アタックを最少にし、リリースをノブの真ん中辺りに設定。スムーズなリダクションを行いたい時は、リリースをアタックの設定と同じにする。そしてアタックのパラメータを少しだけ上げる。
  • ロー・レシオにすることを避けるべきではない。
  • 必要ならサイドチェインを100-150 Hz辺りまで上げる。

▼(2)Peak limiter

非常に速いアタック・タイム(about 0.13 ms) と微小の先読み(6 samples in 44.1)機能を備えた非常にアグレッシブなブリックウォール・リミッター。これは、通常のブリック・ウォール・リミッターとクリッパー――言い換えれば、アタック抑制と歪み付加――の間を取って生まれたとのこと。また、レイテンシは最少になるようにデザインされている。このリミッターは、ピークのみを制御することが意図されている。

<jパラメータ>
limiter6_2.png

「Peak Limiter」----ピーク・リミッターのオン・オフとステレオリンク・モードの切り替えができる。

「Mode」----リミッティング・モードの設定。

――"Brickwall"
ブリックウォール・リミッターとして働く。このモードでは、アウトプットはスレッショルドを上回らない。

――"Soft"
フィルターによってゲイン・リダクションを柔らかくさせる(メーターの針の動きを見る限り、機敏さ和らぎ、リダクション後の針の戻りもスローになっている)。その結果として、ここで通り過ぎたピークは、その後のモジュールで抑えることになる。

――"M/S"
M/Sモードでリミッティングが行われる。

――"Multiband"
リミッターが3バンド・モードで動作する。周波数の分割は固定されていて変更できない。よく分からないが、バンドごとのスレッショルドの違いは、ピンク・ノイズによって調整されるとのこと。

「Type」----リミッターのリリース・タイムとニーのソフトネスのコントロールが出来る。

――"Type A" 
リリース・タイムとアタック・タイムは同じになる(サウンドはアグレッシブ)。

――"Type I-III"
リリース・タイムのニーがソフト(II)かハード(III)かの選択。

――"Type C"
リリース部分で別の先読みが行われる(サウンドはソフト)。

「Speed」----アタック&リリース・タイムのスピード設定。

――"Fast"
ノーマルなアタック&リリース・タイムになる。

――"1/2" and "1/3"
アタック&リリース・タイムが其々2倍、3倍遅く機能する。

リミッターのリダクション量を見る時は、メーターの指標を「PeaK」に設定する。マルチバンド・モードでは、全てのバンドの内、最も大きなリダクション量が表示される。尚、メーターの針の反応は、PPM Type Iに該当するとのこと。

<Amber borderについて>

スレッショルド・ノブの周りに出現する琥珀色の枠(「Amber border」)は、スレッショルドを調整する際の指標として用いる。この枠は、ピーク・リミッターがリミッティングを始め、音が歪み始めたことを意味する。ゲイン・リダクションが1dB以上になることが20ms以上続いた時、Amber bordeは出現する。スレッショルドは、枠の出現がほんの一瞬だけになる程度に設定することが推奨されている。もし枠が出続けるような場合は、スレッショルドを上げたほうがよい。

▼(3)HF limiter (a.k.a. acceleration limiter)

高周波の量を制限するためのモジュール。サウンドを和らげ、クリッパーの存在を気付かせにくくする。さらにこれは、一種のディエッサーとしても使用することができるとのこと。

<パラメータ>

HFリミッターの挙動を見るときは、アナログ・メーターの指標を「HF」に設定する。このモジュールは、高域が耳障りな時に使用する。その場合、クリッパーを調整した後に、サウンドを和らげるように調節を行う。

limiter6_7.png

▼(4)Oversampled clipper

ニーの調節が可能なオーバーサンプリング・リミッター。ハード・クリッパーとしてもソフト・クリッパーとしても使える。これはこのプラグインの礎石となるものでもある、とある。

パーカッシブなトラックでは、アタック部分にのみ影響を及ぼすようスレッショルドとニーを調節し、それ以外のトラックでは、信号がニー・ゾーンの入り始めに届く程度に設定することで、上手く機能する。

<パラメータ>
limiter6_3.png

「Upsampling」----オーバー・サンプリングのタイプ設定。

――"Off"
元々ハイ・サンプル・レートで作業を行っている場合や、エイリアス・ノイズがサウンドに悪影響を与えない場合、或いはCPU負荷を減らしたい場合に使用。

――"4x GR"
ゲイン・リダクション・シグナルにおいて、オーバー・サンプリングが行われる。このモードでは、エイリアス・ノイズを減らすことが出来ると同時に、"4x signal"よりもCPU消費が少なく済む。

――"4x signal"
全てのシグナルでオーバー・サンプリングが行われ、より透明度を高めることができる。このモードはマスター・トラックでのみ使用することが推奨される。

――"Knee"
クリッピングのスタート・レベルをコントロールする。例えばスレッショルドを-6dB、ニーを-6dBに設定した場合、-12dBからクリッピングが始まり、それより下は影響を受けない。またニーのノブを右に回しきると、「Digital」と表示され、デジタル・クリッパーとして機能する。

「Mode」----クリッパー・モードの設定。

――"Normal"
ノーマル・モード。

――"M/S"
M/S"モード。

――"Multiband"
3バンド・モード(ピー・クリミッターでのそれと基本的に同じ)。

クリッパーのリダクション・レベルを見るときは、メーターの「Clip/ISP protect」指標を「clip」に合わす。

<Orange borderについて>
クリッパー・サウンドは、ニーの入り初めの方でとても良くなる。ニーの終わりや、クリッピング・カーブが水平になる時、サウンド・クオリティーは大きく劣化する。この水平・ゾーンに突入すると、スレッショルドの周りにオレンジの枠(「Orange border」)が出現する。水平パートに入ると、波形が平らな状態(フラット・トップ)になり、そのサウンドは酷いものになる。ニーを「Digital」に設定した時、この水平ゾーンはスレッショルドを越えた直後に始まる。しかし、それがほんの短期間だけであれば、許容できる音にはなる。もし許容できない音になるなら、この水平ゾーンに入らないように、或いは入ってもごく短期間だけになるように調節しなければならない。

<注釈>
オーバー・サンプリング・モードで波形がリミッティングされても、フラット・トップにはならない。そのせいで、とても短いピークは(大抵1サンプルの間で)スレッショルドを超えることができる。オーバー・サンプリング・モードを使用していない場合は、この変化は起こらないらしいのだが。従って、クリッパーがオーバーサンプリング・モードで動作する時、この後に追加されたリミッティング・ステージが必要とされる。

▼(5)Output stage

このモジュールはインター・サンプル・リミッターを含んでいる。ここでは真の信号レベル値が分析され、そのレベルがスレッショルドを超えないようリミッティングされる。そういった種類のリミッティングが必要でない場合、このモジュールは単純なデジタル・クリッパーとして働く(インター・サンプル・ピークに関しては巻末の資料を参照)。

このモジュールは次のような作業に使用することができる

  • クリッパーがオーバー・サンプリング・モードで作動する時、所々でピークを制限する。
    殆どの場合、デジタル・クリッピングとして使用するには、クリッパーのスレッショルドより0.1 dB高いスレッショルドで十分に機能する。
  • デジタル -> アナログ変換によって生まれるトゥルー・ピークをリミッティングする。
  • 優れたブリックウォール・リミッター(アタック0.5 ms)として。

<パラメータ>

「Ceiling」----リミッティングのスレッショルド。

「Protection」----リミッティング・タイプの設定。

――"Digital"
デジタル・クリッピングを行う場合に使用。

Digitalクリップモードを使用し、実際にそれでクリッピングが行われる場合、"Protection"のまわりの赤い枠(「Red border」)が表示される。そしてその枠がある程度持続して表示される場合、シグナル・レベルを下げることが推奨される。

――"ISP Fast"
このモードでは、「ISP Precise」に似たような効果をもたらすが、トゥルー・ピークでリミットされることは保証されない。ただし、CPU負荷は"ISP Precise"より少なくなる。

"ISP Precise"
一般的なインター・サンプル・リミッターとして動作する。

<代表的な調節方法>

オーバー・サンプリング・モードに設定したクリッパーのスレッショルドを0.4dBにし、 「Protection」で タイプを「Digital」を選択。そして「Ceiling」を0.3dBFSに設定する。

時によっては、アウトプットを0から0.2dB、もしくは0.5dBまで上げることができる。音を和らげたい場合は、「Digital」から「ISP Fast」に切り替える。



資料 1/7 『連載ラウドネス講座』 第 1 回 ラウドネスの基礎とトゥルーピーク(PDF)

周波数が高くなるにしたがってTrue-peak とSample-peak の差が大きくなります。16kHz/0dBFS の信号を入力した時、ピークレベルメータ上では最大6dB の誤差を生じることになります。例えばピークレベルメータが0dBFS を表示している時、True-peak は+6dBFS かもしれません。また、ピークレベルメータが-6dBFS を表示している時、True-peak は0dBFS かもしれないということです。(中略)このような誤差を極力少なくして“真のピークレベル”を表示しようというのがTruepeakの考え方です。BS.1770-1 ではTruepeak処理のためにオプションを含め6 つの条件が記載されています。そのひとつがPCM 信号の4 倍オーバーサンプリング(48kHz x4 =192kHz)処理です。先ほどの16kHz で考えると、4 倍オーバーサンプリングを行うことでSample-peak とTrue-peak の差は0.301dB まで小さくすることが可能となります。

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でも、本当はただの断末魔ブログ。

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