ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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蠱毒の森(Berlin Strings)

Orchestral ToolsのBerlin Stringsを買った。もはや曲を作る気力も時間もないので、基本的に使用するためではなく物欲を満たすためだけに音源を買っている(それぐらいしか生きがいがない)が、せっかくだから何かストリングスを使ったものはなかったかなと探していると、DTMを始めて1、2年くらいの頃に作った古いMIDIファイルが見つかったので、せっかくだからあててみた。

・蠱毒の森(1:31秒)
※(1/8微調整)

【追記】上記リンクのものはTree&Closeマイクにリバーブをかけたものだが、5マイク全てを使用し、リバーブ未使用のノン・リバーブ・バージョンも作成したので参考までに。【了】

所々でセクションの人数が倍になっていたりするが、まあいいかと。どうせDTMだし。元々フルートが入っていたのだが、どうもバランスが悪いので、それならいっそのこと全部弦だけにしてしまえ、とした結果こういうことになってしまった。セクション内の別のアーティキュレーションを同時に使えば、どんどん人数を増やせてしまうのがこの手の音源の面白いところ。

それにしても歪な曲だなあ。もっと洗練された曲を作れるようになりたい…が、もう人間としての燃料が残ってないので無理か。

以下は音源についての話。
----------------------------------

Berlin Stringsはコスパは低いし色々問題はあるが、単純に音色だけに焦点を当ててみれば、間違いなくよい。「Sus_Soft」パッチでコードを鳴らしてみただけでもちょっとした感動を覚える。まあそれでもやはりシンセ臭さを取るのはかなり難しいが(EQでほんの少しでもブーストしようものなら、直ぐにシンセ臭さが増大されるし)。


BST_01.png

残念なのは、Closeマイクでも結構音が遠いこと。

参考:1st_Violinsの例。前半が「legato」で後半「Martele_FFF」
Closeマイク -> Treeマイク -> Close&Tree






「legato」パッチのみの例。






これでLASSの近さ、生々しさを持っていたら音色としては本当に文句なしなのだが。ただ、Orchestral Toolsはチェンバー・オーケストラみたいな音にならない音源を作ることを目指しているらしいので、それは仕方がないことなのだが。

尚、マイクに関しては、以下の5つが用意されている。

Concert Master mic(1stヴァイオリンのみ)
AB mics
TREE mics
CLOSE mics
SURROUND mics

Treeが基本で、大抵はこれに他のマイクを組み合わせることになる。冒頭に上げた曲でもTreeとCloseの2つを使用している。

以下のページで其々のマイクの比較音源が聴ける。
BERLIN STRINGS - the VI Control Forum!

編成は以下の通り。

8 - 1st Violins
6 - 2nd Violins
5 - Violas
5 - Celli
4 - Basses


ビブラートに関しては「Romantic Vib」「Without Vibr」「Strong Vibr」の三種類が用意されている――ただし、全てのパッチにビブラート項目があるわけではない――が、ノンビブラート(Without Vibr)の途中からビブラートに切り替えるなどといったことは出来ない。せめてそれくらいの機能は用意して欲しかったところ。

あと、OT特有のキースイッチ無し攻撃は自分としては特に気にならなかった。MIDIチャンネルでアーティキュレーションを切り替える方がまだ分かり易いような気がするので。それより#CC11がちゃんと効かないのがよく分からない。何か設定が間違っているのか。

読み込み速度に関しては、ヴァイオリンのレガートパッチを読み込むだけでも(
(「Override Instrument's preload size」24kBの設定で)3分ぐらいかかる。とはいえ、一度テンプレート及びプロジェクトを作ってしまえば後はそこそこ読み込みは短縮される。弦楽5部の殆ど全てのアーティキュレーション・パッチをマイクポジション別に2セット抱えたテンプレートを開くのにも1分ほど。

ただ、やはりメモリはバリバリ食う。前述したテンプレートを立ち上げた時点でREAPERに表示されるメモリ使用量は20474MB。実際に音を鳴らしたりGUIを表示させたりすればもっと使用量は増える。要するにマイクを2つ使うなら16GBでは厳しい(そしてそれではこのライブラリの本領を全く発揮できない)。3つ使うのは32GBでも――できないことはないが、大抵は他のライブラリも同時に使用するだろうから――厳しい。SSDにライブラリを入れて設定を変えればもう少し余裕がでるのかもしれないが。

結局マイク全部使うには64GB必要ということになんじゃないか。そう考えるとこのマルチマイク方式の本領が発揮されるのはまだまだ先のことになりそう。もし全部のマイクが使えたらリバーブを使う必要なくなり、それに伴い音のぼやけというマイナス要素が取り除かれるので、(ホールっぽい音場を演出する場合において)クオリティ面を考えればその方が「無響室で録音したサンプルにリバーブ」よりいいのは間違いないのだが。

しかしBerlin Stringsの場合、レガートで急に乾いた音になったりする問題を抱えていたりするから、それでもやっぱりリバーブをかけたくなるかもしれないけど。

それよりも、レガートは根本的に出来が悪いのが痛い。とりわけ早いフレーズには全く対応できない。マイクテストの音源で後半に「Martele_FFF」を使ったのもそのため。どうしてこうなってしまったのだろう。この音源は、フレーズの速さによって自動的に3種類のレガートが切り替わる仕組みになっていて、それは面白いアイデアなのだが、質自体が駄目なら元も子もない。「早いフレーズに対応できない」というのは、単に自分の使い方が悪かっただけだった。レガートパッチでは、短い音符の音量が相対的に小さくなるのと、譜面のように音符の長さ調度のノートを挿入すると音がブツ切れになる症状があるので、それで最初は使えないものと勘違いしてしまった。しかしこれらの問題は、#CCやノートの長さ調整で十分なんとかなる程度のものだった(記事の最初の方の部分に、レガートパッチのみを用いたマイクテスト音源を追加した)。ただし、かなり速いフレーズで後のノートと重ねると、ちょっと演奏ノイズが煩くなり過ぎるように思った(これは「BOW NOISE」項目をオフにしても消えない)。そしてそうしないとアタックを消せないことになるのはやはり不満。以下はその例。

legato_000.png

最初が画像の上のもので、次に下のもの。最後にKontakt付属の「Violin Ensemble」
マイクは「Tree」&「Concert Master」






さらにネガティブな情報が続くが、Playable_Runsの出来もいまいちなので、これから買う人は覚悟しておいた方がよい。

後、RELEASE SAMPLES(ノートオフ時に読み込まれる音の余韻のサンプル。この機能をオフにするとノートオフと同時に音がブツ切れになる)にノイズ混じりまくり。





(音量注意)

こんな感じのノイズが結構な割合で乗っている。変な部分で生々しい。大抵は全体で鳴らすと気にならないようになるが、それでも消えてくれない派手なノイズを持っているノートもたまにある。さらに、普通のサンプル自体にも「コン」という音やパソコンのメールの着信音みたいな音が混じっているところが幾つかあったりするのも気になるところ。

ここに上げた曲中にもそういう異音(弓がボディに当たる音?)が混じっているノートがあった。それはIIEQProの Butter BStopフィルターで何とか取り除くことができたが、普通のEQで取り除くのは難しかった。こういうのを知ると、OTって結構雑だなと思ってしまう。それとも他のディベロッパーのホール録音音源もこんな感じなのだろうか。

 ***

そしてOTと言えば、エクスパンション商法についても触れておかなければならないだろう。他のライブラリでは基本奏法として含まれていることも多いハーモニクスやコル・レーニョ、バルトーク・ピッチカートといったパッチがこのライブラリには含まれていない。ヴァイオリン、ヴィオラのハーモニクスやコル・レーニョを使いたければ EXP A を、チェロ、コントラバスのそれらを使いたければ EXP B を購入しなければならない(現在未完)。バルトーク・ピッチカートはそれらには記載されていないので、恐らくEXP Eの「String Effects」に搭載されることになるのではないか。ハーモニクスやコル・レーニョとバルトーク・ピッチカートを分けてリリースしてくるところがさすがOTといった感じ。

拡張には他に「Soloists」や「First Chairs」が予定されていて、特に「Soloists」には期待している人も多いと思うが、個人的には余り期待できないのではないかと思っている。というのも、BWWのEXP Bが酷かったので。レイヤーは1個しかない上に、ノンビブラートすらなし。確かによく見ればノンビブラートSusはクラリネットのみと書いてはいるが、まさか結構なお値段のソロ音源でノンビブラート無しのものがあるとは思ってもみなかった。とにかくとんだ手抜き音源だった。レガートもいまいちだし、何故かフルートにはトリルのパッチが無いし。

しかしそれだけならまだちゃんと下調べしていなかった自分が悪いと諦めも付くのだが、フルートのSusパッチにはプログラムミスっぽい感じのちゃんとならないノートが2つもあったりするという残念ぶり(v1.0)。ストリングスはパッチが膨大だからとこどころミスが残っているのは仕方ないかもしれないが、あれほどパッチ数の少ない音源であんなミスに気付かないなんてありえないと思うのだが。それともあの症状は環境依存で、自分の環境でのみ生じているものなのだろうか。海外フォーラムの該当スレでも、誰もそのことに触れている人間はいないし。だとしたら、自分がバグ報告しなければならないのか。したくないなあ。

 ▼ストリングス音源色々

それはともかく、Berlin Stringsを鳴らしてみて、やっぱり自分は目の前で音が鳴るようなドライな音が好きなんだと改めて思った。遠めの音のストリングスなら、Cinematic Strings 2でも良かったんじゃないかと。YouTubeとか見る限りかなりいい感じだし。豊富なアーティキュレーションを組み合わせる面白さは味合えないが。

そのほかの候補としてあったCineStringsは、音色のベクトルが余り好きではないのでスルーした。というより、そもそもCinesamples自体の音の傾向が余り好きではない。どうも大味で繊細さがないので。CoreとProを併せて考えるとそれほどコスパが高いとも言えないし。Cinesamplesは使用上のお手軽さがウリらしいが、使用より物欲を満たすために音源を買っている自分としては、いくらお手軽であっても音色自体が納得いかない音源を買っても仕方がない。まあそれでもPiano in Blueは欲しいし、CineBellsなどはおもしろそうだけど。

LA Scoring Strings(LASS)に関しては、生々しいのはいいが、それを通り越して音が荒々しすぎたりヒステリックだったりするマイナス点があるのと、いくつかの実例を聞いた結果、自分には使いこなすのが難しいのではないかと判断し、候補から外した。ピッチが不安定という評判も候補から外す理由の一つになった。実際、QLSOと混ぜた音源とか気持ち悪かったし。

しかしどうせこの金額を出すなら、Dimension Stringsという手もあった、ということに後になって気付いた。完全に存在を忘れていた。あれはいつ完成するか分からないという問題があるが(現在ヴァイオリンとチェロのみ)。

AF - EPSILON RECORDS - SoundCloud

ここの比較などを聞くと、Hollywood StringsよりもDSの方が好み。Viennaは音がドライなのもいいし、よく言われる線の細さも自分は特に気にならない。大編成よりも中・小編成の方が好きなので。

DimensionSTR demo - SoundCloud

Zigeunerweisen Vln Solo - SoundCloud

これらを聞く限り、レガートも凄くいい。BSTではこうはいかない。特に後者は凄い。Viennaの人が、DSはソロとしても使えるのかと聞かれる度に、それはお勧めしない(いわく、DSはメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲のような曲で一番力を発揮するらしい)と言っていたので、ソロとしては使えないものかと思っていたが、これを聞く限り、現存する他のソロ音源と比較してもこれが一番なんじゃないかと思ってしまう。ただし、DSは(VI Control Forumの書き込みによると)BST以上にもCPU消費が激しいらしい。

SpitfireのSableに関してはイントロ逃した時点でもうサヨナラ。それにあの編成ならドライの方がよいように思うし、それならDSでいいんじゃないかと。完成してないけど。Muralは大編成なのでパス。

Sable Vs Dimension (Legato) by Mathazzar on SoundCloud

 ***

で、Berlin Stringsは結局どういう人向けなのか。

・中編成の音源が欲しいけどDSが完成していないのでつなぎが欲しい。
・中編成の音源が欲しいけどDSの線の細さが気に入らない。
・音色第一。とにかくこの音色が好きなのでこれを買う。
・Berlin Woodwindsを持っているか買う予定があり、音場を統一させたい。
・人とは違う音源で差別化を図りたい。

大体こんな感じなのではないか(自分は3番目だった)。

――とまあ、いつの間にかBSTやOTのディスり記事みたいになってしまったが、以下のデモのように、BSTは腕のある人が使えば(特定の分野において)大きな武器になるのは間違いない(決してお勧めはしないが)。

Berlin Strings - OrchestralTools

相変わらずここはデモが滅茶苦茶良い。「Aerial Boarding」や「And now the News」なんかどちらかというとブラスのデモみたいな感じだが。

他にBSTを使用したものとしては、これなんかも凄くよい。

Comfort Ye (Berlin Strings Rendition) by Harmonicstation

最後に少しだけポジティブな情報を書いておくと、コンソルディーノはシミュレートとして搭載されているので、拡張を買う必要はない。音に納得するかどうかは別問題だが。

因みに、このように問題山積のBSTだが、意外にも(?)プレオーダー時の売れ行きは、OTの他のどのライブラリよりも良かったらしい。きっとみんな、中編成音源に飢えていたのだろう。

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