ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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REAPER:Pro-QをダイナミックEQとして使用する

この前のFabfilter創立10周年記念セールでPro-LとPro-Qを買った。Pro-Lは前々からずっと欲しかったもので、大満足。これの何が良いかと言えば、音割れに非常に強いと同時に、比較的味付けがなく、どんなソースにも合うこと。

Pro-DyQ_19.png

例えばInvisible Limiterなどは、全体の印象として音の輪郭をはっきりさせるのに非常に強く、音との距離の取り方も鉄壁で、その面においてはPro-Lより上だ。しかしながら、このリミッターは逆にセンターの音だけは何故かぼやけてしまい、そのためにヴォーカルものなど、センターにメインとなる音が鎮座しているソースには向かない。さらに音がやたら硬くなる特徴を持っているので、マスターで使用する場合は非常にソースが限られる(なのでこのリミッターは売り文句に反し、むしろ個別トラックで使用するのに向いている)。

このように、大抵のリミッターは其々得意分野と苦手分野があるものだが、Pro-Lはその点非常に中庸でソースを選ばず、尚且つリミッターとしての基本性能が高いのがよい。縦のラインを整理するのも非常に上手い。音は多少面になってしまう嫌いがあるが、これは恐らくラインの整理とトレードオフだろうから仕方がない。

そんなわけで、ドッグイヤーなプラグイン界においてはもはや古参の印象もあるPro-Lだが、それでも何か一つだけリミッターを買うとするなら、未だにこれが一番無難な選択と言えるだろう。

しかしそれとは逆に、Pro-Qの方は少々時代遅れな感が否めない。

Pro-DyQ_17.png

これまで標準的に使用していたのはMdynamicEQだが、それよりも機能的に勝っていると感じたのはリニアフェイズ機能だけ。高い金出して買ったのに、フィルターの種類も少ないし、ソノグラム表示、アナライザの一時停止機能、オート・ゲイン補正機能、ABCDEFG比較、オーバー・サンプリング機能、インプット・ゲイン調節機能、ゲインの反転機能、ダイナミックEQ機能など、MdynamicEQでは当たり前だったことが出来なくなるのはなんとも微妙な感じだ。

一番重要な音の質自体はMdynamicEQよりも良くて、だからこそ買ったわけだが、それもEpureなどに比べるとワンランク劣ってしまうし、一昔前は最高峰とまで言われたPro-Qも今では妥協の産物選択になってしまった感がある。
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雑談が長くなったが、文句ばかり言っていても仕方がない。ソノグラム表示が無いのは残念だが、MeldaもV8になってからアナライザが見難くなったりGUIも前よりかさばるようになって使いにくくなってしまったことだし、やはりここはせっかく買ったPro-Qに乗り換えるべきだろう。それに、取り敢えずダイナミックEQ機能さえ使えればその他の機能は何とか我慢もできる。ということで、REAPERの力を借りてPro-QをダイナミックEQとして変身させるためのFXチェインを作ってみた。

・Pro-DyQ.RfxChain

↓実際に使用してみたところ
pro-DyQ_01.gif

チェインの内容は以下のようになっている。
Pro-DyQ_14.png

やっていることは単純明快。Pro-B1~B5が音声信号検知用。そしてそれらのバンドをソロ状態にすると同時に、其々をダイナミックEQとして使用するPro-DyQのバンドとリンクさせる。後はパラメータ・モジュレーションを使い、Pro-B1~B5から送られてきた音声信号を元にPro-DyQのゲインを動かすという寸法。

 ▼使い方

まず、FXチェイン・ウィンドウを右クリックして「FX chains -> load FX chain」でFX chainsフォルダを開き、そこに「Pro-DyQ.RfxChain」をコピーして開く。

Pro-DyQの画面を開き、ダイナミックEQとして使用するバンドを選択したら適当な帯域にセットし、そのバンドのゲイン・ボタンをクリック(若い番号のバンドから使用していった方がよい。というのも、Pro-Qの仕様上の問題から、削除する時は常に一番数が大きいバンドから削除していかないとややこしいことになるため。例えば3バンドしか使用しない場合、Pro-B4~5を削除し、Pro-DyQのバンド4~5を削除する)

※<追記>当初、Pro-Q_B1はBand1、B2はBand2というように使用するバンド名を合わせていたが、そうするとバンドの数が増えて煩雑になるだけなので其々必要な一つのバンドを除いて全て削除する設定にした。それに伴って記事の内容も変更した。<了>

「Param」ボタンの「Last Touched」が「Gain」になったことを確認して「Parameter Modulation」をクリック。
Pro-DyQ_11.png

後は以下のパラメータをソースに合わせて適切にセッティングするだけ。
Pro-DyQ_18b.png

音を削りたければ「Negative」、ブーストしたければ「Positive」を選ぶ。「Min volume」はスレッショルドに相当。「Strenght」は削ったりブーストしたりする強さの設定。「Max volume」はヴォリュームのスケール設定。dBを小さくすればするほどより俊敏に、より大きくバンドが動く。dBを大きくすればその逆になる。これらの項目の調整だけで納得のいかない場合は「Signal Shaping」を触ってみるのもいいだろう。

横軸が入力信号の大きさで、縦軸が効き目の強さを表している。
pro-DyQ_03.gif

以下はこのFXチェインをどのようにして作成したかの解説。こういうことを知っていれば色々と応用も利くだろう。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-   

 ▼(1)下準備

  • Pro-Qを立ち上げ、必要な分だけバンドを作成し、其々を0dBに設定する。今回は5バンドを作成する。
    Pro-DyQ_01.png

  • 先ほど立ち上げたPro-Qをコピーし、バンドの数の分だけ貼り付けていく。これらは其々の帯域の検知用として使用する。
    Pro-DyQ_02.png

  • 分かりやすいように名前を変更する。Pro-Q_B1からB5はPro-DyQのパラメータ・モジュレーションの音声検知用として使用する。其々チャンネルを振り分ける必要があるので、混乱しないようにチャンネル名も記述している。Pro-DyQは実際にダイナミックEQとして使用する。
    Pro-DyQ_03.png

 ▼(2)検知用Pro-Qの設定

  • Pro-Q_B1はPro-DyQバンド1、Pro-Q_B2はPro-DyQバンド2~の検知用として使用するので、其々にとって必要なバンドの1つ以外を全て削除しておく(Pro-Qの仕様上、バンド名は自動的に整理される。例えばバンドを5つ持ったPro-Qのバンド4を削除すると、それ以前にバンド5だったものが前に詰められて自動的にバンド4になる。なのでPro-Q_B1~5に残るバンド名は全て「Band1」になる)。

    ↓例えばPro-Q_B1ではB1以外の全てを、Pro-Q_B2ではB2以外の全てを削除する
    Pro-DyQ_07b.png


  • 先ほど付けた名前を参考にしながら、「Pro-Q_B1 (3/4)」は1/2チャンネル(原音)から入力し3/4チャンネルに出力、「Pro-Q_B2(5/6)」は1/2から入力して5/6に出力~、というように其々の入出力を設定していく。

    ↓Pro-Q_B1の設定
    Pro-DyQ_05.png

  • 検知用Pro-Qに残っているバンドを選択してFrequencyノブをクリック。「Param」ボタンの「Last Touched」が「Band ? Frequency」になっていることを確認したのち、「Parameter Modulation」をクリック。
    Pro-DyQ_04.png

  • 開いた画面で、其々の検知用Pro-Q「Band1 Frequency」をダイナミックEQとして使用するPro-Q(この場合Pro-DyQと名づけたもの)の「Band1~5 Frequency」にリンクさせていく。
    Pro-DyQ_06.png

    ↓上がPro-Q_B1で下がPro-DyQ(再生時にのみリンクされる)
    pro-DyQ_02.gif

  • 同じようにして、其々の検知用Pro-Qの「Band1 Q」とPro-DyQの「Band1~5 Q」もリンクさせる。

  • 検知用Pro-Qで使用するバンドのソロボタンをクリックし、「Param」ボタンの「Last Touched」が「Solo Band」になったことを確認して「Show in track controls」をクリック。
    Pro-DyQ_09b.png

    -1がソロ無効化、0がBand1のソロを有効化、1がBand2のソロを有効化~というようなっている。Pro-Q_B1~5はどれもバンドを1つしか持っていないので、全て0に設定していく。
    Pro-DyQ_10b.png


 ▼(3)Pro-DyQの設定

  • バンドを選択し、Gainノブをクリック。「Param」ボタンの「Last Touched」が「Gain」になったことを確認して「Parameter Modulation」をクリック。
    Pro-DyQ_11.png

  • 一番上のスライダーをダブルクリックし、センターに配置(ゲインのデフォルトを0dBにするため)。「Audio control signal」にチェックを入れて有効化し、「Track audio channel」で検知入力のために使うチャンネルを其々適切に設定する。

    ↓Band2の例。「Pro-Q_B2(5/6)」のバンド2から信号を入力している。
    Pro-DyQ_12.png


 ▼(4)余計な信号を外部に送らないために

マスター・トラックやセンド先に余計な信号を送らないため、「JS: IX/Mixer_8xS-1xS」を最後に挿し、以下のようにルーティングを設定しておく。これでch3/4~11/12は外部に音声が流れない。
Pro-DyQ_13b.png
Pro-DyQ_15.png


 ▼チェインの保存

設定が終わったら必要なプラグインを全て選択し、右クリックから「Save selected FX as chain」で名前を付けて保存
Pro-DyQ_20.png

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