ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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DDMFがチャンネル・ストリップ「The Strip」をリリース

THESTRIP_02.png

チャンネル・ストリップということで、一つのプラグインにEQ、ゲート、コンプが一緒に入っている。其々の機能、及び其々のEQセクションは、ランプをクリックして点灯・消灯させることで個別にオン・オフが可能(「Input/Output」のレッド・ランプとボタンのイメージが同じなのがちょっと紛らわしい)。尚、設定数値はノブをクリックすることで確認できる仕様となっている。

2倍オーバーサンプリング(「OVERSAMPLING」)、ゲート&コンプとEQの処理順序入れ替え(「COMP≧EQ」)、位相を反転(「PHASE INVERT」)、サチュレーション付加(EQをオンにすることで発動)などの機能を備えているのが特徴。価格は通常$49だが、9月の終わりまでは導入価格として$39で購入できる。

KVRの関連スレ
KVR: DDMF is going to release THE STRIP (Topic in the 'Effects' forum)

Gearslutzの関連スレ
New channel strip by DDMF - THE STRIP - Gearslutz.com

現在、ハイパスをオフにすると位相がおかしくなる、コンプのリダクション・メーターがちゃんと反応しない、コンプのアッタは最大で180msまで設定できるのにノブが真ん中の状態で2msにしかならない、など様々なバグが報告されている。ただ、開発者も出来るだけ早く直すと言っているようで、実績もあるし、それに関しては余り心配する必要はないと思っている。
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DDMFのEQはカットは悪くないがブーストはいまいち、というのが自分のこれまでの印象だった。例えば、IIEQ Proのバターワース・フィルタによるハイパス・ローパスの切れ味の良さや特定の帯域をゴソッと削り取る能力は、多くの競合がひしめく中でもひときわ輝いていた(――それをさらに上回るカット能力を持つPro-Q2が出てしまった今となっては少し色あせてしまった感もあるが)。その一方、ブーストはどうもいまいちで、スピーカーに張り付くような圧迫感やボヤけが出る欠点があり、不満だった。

しかし今回のこのEQはそういった問題点が見事に払拭されている。ブーストしても圧迫感やボヤけが余り出ない。ちゃんと距離が取れる。派手な音を作るのには向いていないが、その分嫌味な音になりにくく、とても使いやすい。これはDDMFがこれまでリリースしてきたEQの中で最上のものであることは間違いないだろう。

ただし、コンプに関してはアタックを早めに設定すると音割れしやすく、少し弱いように感じた。また、検知フィルターの低音をカットするサイドチェイン機能が付いていなかったり、Kneeに関する項目が無かったり、機能面に関しても少し物足りなさを感じる。

   ***

余談になるが、恐らくこうなったのは「アナログ風GUI」が関係しているのではないか。ノブをクリックしないと設定数値が表示されない仕様にしたのも、デザインとの統一性を図るため、と言っていたのをどこかで見かけたような気がするし。にしても、A/B比較くらいどうにかならなかったのだろうか。

GUIやデザインは非常に重要だと思っている。何故なら、それそのものが効用を持っていると思うからだ。しかし、そのために本来備えていてしかるべきユーティリティを削ってしまっては本末転倒だ。

そうそう画期的なプラグインのアイデアが生まれてくるわけではない。かといって商売を続けるためには常に新しい商品を生み出し続けなければならない。なのでアナログモデリング(風)に手を出すのは仕方がないことだと思う。しかし、アナログモデリングだからといってデジタルで可能な機能を限定しなければならない、という理由はないだろう。デザインの統一性に関しても、アドバンスト・モードを用意するなどして問題の解決を図ってもらいたいところ。

何にせよ、自分としては例えアナログ風であっても、それと同時にデジタルで出来ることをとことん追求する方向性の方が好ましく思う。

 ***

再び話を「The Strip」に戻す。このプラグインは初期状態ではHP/LPがオンになっているので、その点には注意が必要。
THESTRIP_Default.png

また、前述したように、このプラグインはアナログ感を出すため、0dB設定でもEQをオンにしただけでサチュレーションや倍音が付加される仕組みになっている。以下は「VST Plugin Analyser」でHarmonic Distortionを見てみたところ。
THESTRIP_Dit.gif

EventideのUltraChannelはこんな感じ。
UltraCha_Dit.gif

Pro-Q2のNatural Phaseモード。
Pro-Q2_Nat_Dit.png

普通はこんな感じ。Pro-QのZero LatencyモードやIIEQ-Pro、TranQuilizerなどピュア系は基本的にこういう結果になる。
Pro-Q2_Zero_Dit.png


 ▼使用例

まず元の素材はコレ。Berlin Woodwinds EXP Bのフルートだが、元のままだとどうも耳障りな音が気になり、低音も物足りなく感じる。







★Strip
THESTRIP_02.png

それを、音を聞きながらもっとましにならないかとStripのノブを弄繰り回して出来たのがコレ。






それに加えてコンプをオンにしてみたところ。レシオを1.3:1くらいに設定し、頭と尻尾の調節をしただけで音圧上げは行っていない。






さらに「COMP≧EQ」をオンに。







★Pro-Q2(Natural Phase)
Strip_curve_ProQ2.png

なるべくStripの設定とカーブを似せて、Pro-Q2でもやってみた。






上がStripで下がPro-Q。HP/LPやShelfフィルターの曲線が結構違うので、同じバンド数でこれ以上似せるのは難しかった。
DDMF_Strip_curve_0.png


★Eventide - UltraChannel
Strip_curve_Ultra.png

UltraChannelでもやってみた。ただし、バンド数が足りないのでHP/LPはPro-Q2から借用した。尚且つ、Shelfフィルターの曲線が余りにも違いすぎるため、曲線を似せたのではなく、Pro-Qの設定に合わせただけのものであることに留意。
 






 ▼最後に

上で挙げた例はStripを弄って音作りをし、その曲線(やパラメータ)をマネたからこそのものであり、多分Pro-Qの例も、Pro-Qだけを触っていたらまた違う結果が出たんじゃないかと思う。

というのも自分の場合、IIEQ ProやPro-Qのような普通のタイプのEQだと、どうしてもピークでその素材のメインとなる帯域、特徴となる帯域、耳障りな帯域を探し、特徴となる帯域を少しブーストし、耳障りな帯域をカットし、メインとなる帯域と被る他の素材の同じ帯域をカットし…みたいなやり方ばかりになってしまいがちなので。

しかし今回これを使ってみて、その前にこういうプラグインでノブをグリグリ弄りながら感覚的に音作りをしてみるのもありだと思った。Stripはそう思わせるような魅力を持った会心作だと思う。

 ***

おまけ。直接関係ないが、Soundbytes Music MagazineのサイトでDDMFの人によるEQ基本解説みたいな記事が読めるので興味のある人はどうぞ。

Equalization for Rookies Soundbytes Techniques

写真があるけど、これを見ると結構若そう。

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