ポジティブ・アレルギー

物事を顧みず、ひたすら自身にとって都合の良い部分だけを見て突き進まなければならない、ポジティブ社会への拒絶反応

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コミュニケーションツールとしてのいじめ(後編)

→前編からの続き

<孤立する恐怖から逃れるために>

ただ、実際にいじめが行われる場合は
前編で書いた「苦痛」と「快楽」以外にも
「恐怖」という要素が加わってくる※1。

そして、その恐怖の中でも取り分け
「孤立することへの恐怖」
が大きな役割を果たすことになる。

以前にも書いたように、「感覚」は決して
他者と共有することが出来ない。
ところが、「常識」とか「普通」なんて言葉が
大きな力を持っているように、多くの人々は
その本来共有出来ないはずのものをある程度
共有しているかのような幻想を抱いている。

これは「目的」についても同じことが言える。
本来なら、其々が望む理想の世界は個々人でバラバラな上、
資源が限られている以上生活水準の向上に於いても
常に競合関係が強いられることになり、場合によっては
生存自体が競合することすら珍しくない。

にも拘らず、人々は一時的、一部的、偶発的にしか
形成されないはずの「集団の利益」という大儀に
いとも簡単に絡め取られる。
その中身が極めて不明瞭なものであっても。

つまりそれは、「普通の感覚」を持つ人は同じ「目的」
を共有しているという幻想を抱いているからこそだろう。

しかし、多くの者達がそういった幻想を抱いてるが故に、
誰かがその共有感覚を抱くことが出来なくなった時、
或いは他者からそれを共有していないと認識された時、
その者は集団の中で一人孤立することになる。

そして、集団の中で孤立するということは
集団の生み出す力を上手く利用出来なくなる
ということを意味すると同時に、その力に一人で
立ち向かわなければならないということをも意味する。

だが、そういう状況に置かれた剥き出しの個人は
恐ろしく脆弱であり、その者の命は正に「集団の力」
という風の前のともし火といったところだろう。

つまり、集団で生活することを余儀なくされる
人間という種に於いて「孤立」は自身の生命をも
脅かしかねない大問題であり、それに対する
本能的な恐怖が人間の中に埋め込まれている。

いじめがコミュニケーションツールとして
利用されるのも、それによって仲間との繋がりや
共有感覚を継続し続けることでそういった本能的な恐怖
から逃れることが出来るように感じるからではないか。


勿論、いじめやバッシングを行う人達はそんなことを
意識してそれを行っている訳ではないだろうが。

そして、その手法で恐怖感から逃れることに
味をしめた人間は、その効果を持続させる為に
新たな「いじめプロジェクト」を次から次へと
立ち上げ続けなければならない。

それは一種の依存症のようなものとも言えるかもしれない。
つまり、恐怖から逃れる為のいじめ依存症だ。

 ***

前編では、いじめやバッシングでいつも
主導的な役割を果たす人間は罪悪感を感じる力に
欠けているんじゃないか、ということを書いた。

しかし、ここに「恐怖」という要素が加わってくる
ことでまた新たな可能性が浮かび上がってくる。

それは、深い罪悪感で自身がボロボロになりながらも
止め処なくいじめを行い続ける人間が存在する可能性だ。

罪悪感によっていじめを抑制するのは
その罪悪感によって生み出される苦痛から
逃避するためだという見方も出来る。

だが、その苦痛よりも孤立することの恐怖心の方が
勝っていれば、当然苦痛からの逃避よりも恐怖心からの逃避
の方を(当人に選択の余地があるならばだが)選ぶだろう。

そしてその手段としていじめがある。

どうも、いじめの根源的な動機には
そういった人間が持つ本能的な恐怖が
大きく関わっているように思えてならない。

だとすれば、「孤立することが即自身の生存を
脅かすことになる」というような認識を人々に
抱かせる環境を改善し、その本能的恐怖を不必要に
刺激しないような状況を作り出すことこそが
いじめ問題の抜本的対策だと言えるんじゃないだろうか。

そして、逆にそれが実現されない限り
いじめやバッシングの嵐が世に吹き荒れ続ける
ことは避けられず、人々も「他者の痛み」を
求めて彷徨い続けることになるのだと思う。

※1 本当はさらに、周りからそのいじめに対する
賛同を得やすいような雰囲気作りや正当性を
演出する「技術」という要素も加わってくる。

(追記7/22) 最後の部分を少し変更しました。

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ひきこもりという役割を引き受け
ざるを得なかった一人として
人間について考えてみる。
でも、本当はただの断末魔ブログ。

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